第七条-2
第九条の「対局の停止」後での、死活確認の際における同一の劫での取り返しは、行うことができない。ただし劫を取られた方が取り返す劫のそれぞれにつき着手放棄を行った後は、新たにその劫を取ることができる。<解説>
劫がらみの石の死活規定である。
1 同一の劫での取り返しはできない。
対局の停止とともに、劫の取り返しは停止となり、たとえ「両劫ゼキ」など無限の劫立てがあっても、それを利用して劫を取り返すことはできない。
参考図9<1> 本劫の手入れ
(1) 黒は劫立てが多いためAへ手入れせず、このままで終局を主張した場合どうかという問題である。
(2) 結論はこのままで終局となれば、黒・白ともに「死に石」である。(詳しくは死活例9参照)
劫がらみの石の死活規定である。
1 同一の劫での取り返しはできない。
対局の停止とともに、劫の取り返しは停止となり、たとえ「両劫ゼキ」など無限の劫立てがあっても、それを利用して劫を取り返すことはできない。
参考図9<1> 本劫の手入れ
(1) 黒は劫立てが多いためAへ手入れせず、このままで終局を主張した場合どうかという問題である。
(2) 結論はこのままで終局となれば、黒・白ともに「死に石」である。(詳しくは死活例9参照)
(3) 参考図9<2>の白一子は黒にAに打たれれば取られるから「死に石」であることは明らかであるが、黒七子が「死に石」である理由は参考図9<2><3>の白1~3による。
2 着手放棄後は新たに劫が取れる
劫を取られても、着手放棄(通称パス)を行った後は、対局の再現と同じになり、新たな劫取りとして可能となる。
参考図10<1> 一手ヨセ劫
(1) 黒がAに手入れをせずに終局できるか否かの問題である。
(2) 結論は、白が実戦で劫争いをしないかぎり、このままで終局となれば、白一子は「死に石」、黒八子は「活き石」で、黒はAの手入れ不要である。
(3) 黒八子が「活き石」である理由は、参考図10<2>~<4>の白1以下黒6による。黒4の劫取りは、黒2のパス後なので可。
3 取り返す劫のそれぞれにつき、着手放棄が必要
取り返しとなる劫が二個以上ある場合は、どの劫で着手するのか指定しなければならない。
参考図11<1> 「一手ヨセ劫」と「両劫ゼキ」の併存
(1)上隅、下隅の形が盤上に併存した場合、上隅の「一手ヨセ劫」のAに黒は手入れをせずに終局できるか否かの問題である。
(2)結論はこのまま終局になれば、たとえ下隅の「両劫ゼキ」があっても、上隅の白1子は「死に石」で、黒八子は「活き石」であり、下隅は「両劫ゼキ」に変わりなく、したがって黒はAに手入れする必要はない。
(3)その理由は参考図11<2>~<4>の白1から黒12による。参考図11<3>の黒4の新たな劫取りは、すでに黒2で同一の劫での着手放棄後なので可能。
劫を取られても、着手放棄(通称パス)を行った後は、対局の再現と同じになり、新たな劫取りとして可能となる。
参考図10<1> 一手ヨセ劫
(1) 黒がAに手入れをせずに終局できるか否かの問題である。
(2) 結論は、白が実戦で劫争いをしないかぎり、このままで終局となれば、白一子は「死に石」、黒八子は「活き石」で、黒はAの手入れ不要である。
取り返しとなる劫が二個以上ある場合は、どの劫で着手するのか指定しなければならない。
参考図11<1> 「一手ヨセ劫」と「両劫ゼキ」の併存
(1)上隅、下隅の形が盤上に併存した場合、上隅の「一手ヨセ劫」のAに黒は手入れをせずに終局できるか否かの問題である。
(2)結論はこのまま終局になれば、たとえ下隅の「両劫ゼキ」があっても、上隅の白1子は「死に石」で、黒八子は「活き石」であり、下隅は「両劫ゼキ」に変わりなく、したがって黒はAに手入れする必要はない。