特集内容
【第54期十段戦五番勝負第4局】
前人未到、夢の7冠全制覇―。伊田篤史十段に井山裕太6冠が挑戦した第54期十段戦五番勝負の第4局は井山2勝1敗のあとを受けて20日、東京・市ケ谷の日本棋院で行われ、午後5時21分、163手までで井山が中押し勝ちした。残り時間は井山2分、伊田1分。この結果、井山が対戦成績を3勝1敗としてタイトル奪取に成功、史上初の7冠完全制覇を成し遂げた。7冠ロードの幕開けは3年前にさかのぼる。棋聖奪取で初めて6冠になったが、直後に十段を失った。その秋、名人奪回で再び6冠、十段を失っていなければこの時点で7冠達成だった。翌年、十段戦の挑戦者決定戦まで勝ち進むも挑戦は成らず、秋には王座、天元を失い4冠まで後退した。7冠の夢がしぼみかけたが、そこからの巻き返しが凄かった。1年後の昨秋、王座と天元を取り返し、返す刀で十段の挑戦権も獲得して今回の7冠達成につなげた。
【写真で追う七冠誕生の一日】
第4局の会場となった日本棋院には、都内の利便性もあって、前週長野県大町市で行われた第3局よりも多くの報道陣が駆けつけた。その数40社120人。両対局者の朝の棋院入りから、対局開始、昼食休憩後の再開、終局、七冠達成記者会見まで隈なくカメラが追った。