棋士が選んだこの一手

青木喜久代が選んだこの一手

対局日 2013年11月27日
棋戦名 第32期女流本因坊戦第5局 総譜はこちら
対局者
(段位は当時)
黒 向井千瑛五段
白 謝依旻女流本因坊


< テーマ図(黒番) >
  第32期女流本因坊戦で、謝依旻女流本因坊に同世代の向井千瑛五段が挑戦しました。
  2勝2敗となり、最終局までもつれ込んだ1局です。上辺から連なる黒の大石を白が取りにいき、黒はまだ眼がない状況です。白2と分断されたところで黒番。両者秒読みの中、どうなるかとドキドキしながら見ていたのをよく覚えています。
  • < 1図 >
     黒1のマガリがシノギと関連する深い読みの入った手でした。次に黒Aと元を切られると上辺の白が孤立してしまうので、白は守らなくてはいけません。
  • < 2図 >
     続いて黒5のコスミが生きを見て先手になるのがポイント。眼を取りに行くなら白6ですが、そこで黒9、11の出切りから13のノゾキまでが一連の読み筋です。
  • < 3図 >
     白14から18で黒の種石は取られますが、その隙に黒19まで大石を連絡させました。これで白がどう打っても▲と切り離せないのです。向井さんの読みの正確さに感動しました。この一連が決め手となり、向井五段は念願の初タイトルを獲得しました。

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