棋士が選んだこの一手
河野臨が選んだこの一手
対局日
2020年2月15日
棋戦名
第44期棋聖戦第4局 総譜は
こちら
対局者
(段位は当時)
黒 河野臨九段
白 井山裕太棋聖
< テーマ図(白番) >
井山裕太棋聖(当時)に挑戦した時の碁で黒が私です。いま黒が両ガカリから左上隅三々に打ち、白の根拠を奪って攻めようとしている場面。ここで井山さんに工夫を凝らした一手を打たれました。
< 1図 >
白1のフクレが一般的な打ち方ですが、黒6まで白一団に根拠がなく、食らいつかれている感じがあります。
< 2図 >
そこで井山さんは白1とこちらをおさえてきました。部分的にはまず打たれない手です。しかしこの局面に限っては、非常に工夫された面白い打ち方でした。
< 3図 >
黒は周囲の援軍を頼りに黒2から6と目一杯に頑張りました。
< 4図 >
これに対し白7から11が鮮やかな手順でした。「ここで断点の守り方が難しいでしょう」というのが井山さんの主張で、1図の白1からの構想でした。
< 5図 >
続いて黒12と受けると白13の手筋を用意しています。黒が全部を頑張ると白19まで種石が助かりません。
< 6図 >
実戦はやむなく黒1と打ちましたが白2の切りが入っては黒が苦しい戦いです。まだまだ乱戦が続きますが、気が付きにくい2図の白1からここまでの一連で白がポイントをあげました。
総譜は
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