棋士が選んだこの一手
鈴木歩が選んだこの一手
対局日
1979年6月7日
棋戦名
第4期碁聖リーグ戦 総譜は
こちら
対局者
(段位は当時)
黒 趙治勲八段
白 坂田栄男九段
趙 治勲八段
VS
坂田 栄男九段
< テーマ図(白番) >
私が棋士を目指していた院生時代に並べていて感動した碁を選びました。
ここまで互角の形勢です。実戦白1から一本道で進み、次の一手が白の狙いでした。
< 1図 >
白1のツケ! これが坂田先生の狙いでした。この手の意味は……
< 2図 >
素直に黒2とツナぐのは白3からの狙いが発動します。白9までシチョウで黒の要石が取られ、これは黒ハマリです。
< 3図 >
かといって黒2と受けてシチョウを回避すれば白3とツガれて突き破られた形にされてしまいます。黒が大ピンチなようにみえますが……
< 4図 >
治勲先生の打った黒1が素晴らしい返し技で、白からの両方の狙いを同時に防げています。
< 5図 >
実戦はこのように進行し、黒は事なきを得て形勢も黒に傾きました。
坂田先生のツケに感動し、治勲先生の次の一手にも感動した記憶があります。こういう手を実戦で打てたら楽しいだろうなー、と憧れを持ちながら並べていました。
総譜は
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