棋士が選んだこの一手
安斎伸彰が選んだこの一手
対局日
2005年5月9日
棋戦名
第60期本因坊戦挑戦手合第1局 総譜は
こちら
対局者
(段位は当時)
黒 張栩本因坊
白 高尾紳路八段
張栩本因坊
VS
高尾紳路八段
< テーマ図(黒番) >
この企画のお話をいただいた瞬間この碁のことが思い浮かびました。
白5と下辺の模様を拡げた局面です。当時私は記録係として現地にいたのですが、次の手が打たれた瞬間控室がどよめきました。
< 1図 >
黒1と突入しました。ここに打てる棋士はなかなかいないでしょう。
かなり危険に見えますがある程度サバキの目途が立っていたはずです。
< 2図 >
白1からの攻めに黒4、6が見事な手筋。あっという間にサバキ形を作りました。
黒18でAと打てば脱出できますが、さらに厳しく追及して難しい戦いになりました。
< 3図 >
前図の白3では白1と封鎖したくなります。
簡単に活きる手は見えませんがABCなどの利き筋があり、何とかなるというのが両対局者の判断だったようです。
< 4図 >
黒1のノゾキはサバキの役に立ちそうな手ですが打たれませんでした。
局後の検討で「地が何目損か数えたら打てなくなった」という感想を聞いて、トッププロはそんなことまで考えているのかと衝撃を受けたのを覚えています。
総譜は
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