棋士が選んだこの一手
中島美絵子が選んだこの一手
対局日
2006年3月13日
棋戦名
第54回NHK杯戦 1回戦 総譜は
こちら
対局者
(段位は当時)
黒 中野泰宏九段
白 石田芳夫九段
中野泰宏九段
VS
石田芳夫九段
< テーマ図(黒番) >
2006年のNHK杯戦の一局です。
当時私は聞き手を務めていましたが、この一局は驚きのあまり時が止まったような感覚になりました。
終局間近で起こった大事件とは…!?
< 1図 >
このまま進めば黒が盤面でも13目ほど残りそうな局面。
なんと中野泰宏九段が黒1とアタリに突っ込んでしまったのです。打った瞬間に気付きハッとした表情の中野九段。白番の石田芳夫九段は苦笑いしながら一瞬ためらいの表情。解説の小林光一九段も『えっ!えっ!?』としばらく声にならない声をあげていました。
これはNHK杯の聞き手を務めていた中で一番の衝撃でした。
< 2図 >
数秒後に石田九段により黒五子が抜かれました。のけぞる中野九段がつらそうだったのを覚えています。ここを取られてしまうと左下の黒の一団も全て死んでしまいます。
ここで無念の投了となりました。
< 3図 >
この碁では他にも注目の局面がありました。
左下の黒に対して白が攻めているところですが、黒1のツケから3のブツカリが妙手で黒の一団をうまくシノギました。素晴らしい手筋がみられると感動しますね。
< 4図 >
続いて白が4と二子を取りにくれば黒5から7と調子で出ていき、黒11までいつの間にか繋がる事が出来ます。
この対局は2006年でしたが今でも鮮明に覚えています。
総譜は
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