棋士が選んだこの一手

芝野虎丸が選んだこの一手

対局日 2019年1月21日
棋戦名 第43期棋聖戦七番勝負第2局  総譜はこちら
対局者
(段位は当時)
黒 井山裕太棋聖
白 山下敬吾九段



  • 井山裕太棋聖
  • VS

  • 山下敬吾九段


< テーマ図(白番) >
 この企画を聞いたときに、まずこのシリーズが思い浮かびました。見ごたえのある面白い碁ばかりですので、他の碁も是非ご覧ください。
 左辺の白模様の谷が深く、やや白が打ちやすい局面です。右辺の白をどうさばくか難しいところかと思われましたが……
  • < 1図 >
     白1から5が筋の良い石の張ったサバキでした。
  • < 2図 >
     前図の白1と黒2の交換をせずに白1と形の急所に打つのは、黒4と良い形で逃げられて今ひとつです。
  • < 3図 >
     1図の黒2では本図の黒1と打つのも考えられました。ただし白4まで先手を取って白6などの大場に回れば「白がやれる」という判断で両者一致していたようです。
  • < 4図 >
     1図に続いて黒1と頑張ると白2、4の逃げ出しが成立します。白10から12が好手で――、

  • < 5図 >
    ●20(18の上)
     以下長手順ですが、白31まで黒ツブレです。
  • < 6図 >
     4図の黒1で本図の黒1と受けるのは白4のオサエがぴったり。右辺と上辺の白がきれいに連絡して白満足です。

  • < 7図 >
     実戦は1図に続いて黒1と変化しましたが、黒5まではやむを得ず前図と似た進行になりました。白6ではaとオサえているのも考えられましたが、白6、8とさらに頑張り険しい戦いになりました。
     山下九段らしい力強い打ち回しでした。

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