< テーマ図(白番) >
私の師である島村俊廣九段の碁から取り上げました。
島村先生はご自身の碁を「忍の棋道」と称されていました。「忍」とは文字通り心の上から刃で押さえつけ、自分の感情をおさえ込むという意味。渋い辛抱のいい棋風で「いぶし銀」とも呼ばれていました。
この碁が打たれたのは今から40年以上前。翌月には70歳を迎える島村先生はこの碁を打っている最中に脳出血で倒れ、これが絶局の碁となりました。
倒れる直前の最終手を「この一手」としましたが、一局を通して素晴らしい内容の名局でしたので初手から簡単に追っていきます。