棋士が選んだこの一手

武宮正樹が選んだこの一手

対局日 1985年1月30日
棋戦名 第9期棋聖戦七番勝負第2局 総譜はこちら
対局者
(段位は当時)
黒 武宮正樹九段
白 趙治勲棋聖



  • 武宮正樹九段
  • VS

  • 趙治勲棋聖


< テーマ図(黒番) >
 今から約40年前に私が趙治勲棋聖に挑戦した時の碁です。治勲さんは碁に対する情熱が素晴らしい。私は治勲さんとの対局が大好きで、対局ではいつも燃えるものがありました。
 黒1、3はサバキの手筋。治勲さんは白4、6と厳しく追及してきました。
  • < 1図 >
     私は隅を放置して黒1とツケました。どんな時でも全局を視野に入れながら構想を練るのが宇宙流です。
  • < 2図 >
     前図の黒1では本図のように黒1、3と出ていくのが常識的かもしれません。しかし白4とカケられるのが嫌だったのです。絡み攻めの態勢に入り、中央の黒模様が自然に消されてしまいそうです。
  • < 3図 >
     黒1のツケに白2反発してくれば黒3と連打して黒良しのワカレです。
  • < 4図 >
     実戦は白1とハネました。ここで黒2の切り違いから一子を捨石にして形を整えます。さらに黒8、10と左上の二子も捨てて外から利かしました。本図の白はほぼ必然の手順ですが、この一連で黒は中央が厚くなり打ちやすくなったように感じました。

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