過去の大会【第1回大会】

大会概要

囲碁AIの急激な進化は、囲碁界に新しい時代を到来させました。
囲碁AIと棋士との対局のニュースは世界中に大きく取り上げられ、囲碁の認知度が向上し、その競技としての特性に注目が集まりました。
日本棋院は、囲碁AIの進化は棋士の技術の向上に大きく寄与すると考えており、この機会に日本、中国、韓国が協力して、囲碁AIを加えた囲碁世界戦『ワールド碁チャンピオンシップ』を開催することに致しました。
日本から六冠の井山裕太九段、中国から同国の予選を勝ち抜いた羋昱廷(ミ・イクテイ)九段、韓国から同国ランキング1位の朴廷桓(パク・ジョンファン)九段、そして囲碁AIのDeepZenGoが参加し、総当りリーグ戦にて世界最強棋士を決定します。

大会名称 ワールド碁チャンピオンシップ
主催 公益財団法人 日本棋院
協賛 株式会社NTTドコモ、三井住友カード株式会社、大和証券グループ、阪急電鉄株式会社
特別協力 日本経済新聞社
特別後援 株式会社囲碁将棋チャンネル
協力 株式会社阪急阪神ホテルズ、日本航空株式会社、株式会社ドワンゴ
開催期間 2017年3月21日(火)~23日(木)
(プレーオフの場合は24日(金)開催)
会場 対局場
日本棋院関西総本部(大阪市北区茶屋町19-19 アプローズタワー10F)
大盤解説会 2017年3月21日(火)~23日(木) 13時より終局まで
(プレーオフの場合は24日(金)開催)
開場 12時30分
会場:ホテル阪急インターナショナル(大阪市北区茶屋町19-19)

競技内容

出場棋士 日本代表:井山裕太九段
中国代表:芈昱廷九段(ミ・イクテイ)
韓国代表:朴廷桓九段(パク・ジョンファン)
囲碁AI代表:DeepZenGo
対戦形式 総当りリーグ3回戦 持ち時間3時間、残り5分から秒読み
勝数同数の場合はプレーオフ(優勝決定戦)を実施
対局開始は午前10時30分、休憩時間は設けず終局まで打ち継ぐ
総互先(黒番6目半コミ出し)日本ルール
※勝数同数の場合はプレーオフ(優勝決定戦)を3月24日に行う。また、プレーオフの抽選は23日3回戦終了後に直ちに行う。
対局ルール ・対局ルールは「日本ルール」(日本囲碁規約に従う)とする。
・ニギリは対局20分前に行なうものとする。
・手合割りはオール互先、先番6目半コミ出しとする。
・着手された石から手が離れた瞬間をもって着手とする。
・秒読み中、止むを得ない事情で席を離れる場合、もし相手が着手していなければその時間は消費時間とはしない。
・秒読みは日本語とする。(下記[秒読み規則]に従う)
・対局者が対局開始時間に遅れた場合は、その棋士の持時間から遅刻時間の3倍を引く。
 遅刻が1時間をこえた場合は不戦敗とする。(コンピューター操作者も含む)
・年長者がにぎって先後を決定する。DeepZenGoと対局する場合は棋士が握りを行なう。
・コンピューターの投了についてはDeepZenGoの開発チームが決定するものとする。
・3コウ無勝負になった場合、16時までは再対局(持ち時間=なし、秒読み=1手30秒、1分の考慮時間3回)を行なうものとする。16時以降に発生した場合は引き分けとする(引き分けは0.5勝とする)
・停電もしくは自然災害や突発的な事象が発生し、コンピューターが対局不可能な場合は、主催者および立会人が進行を判断する。

[秒読み規則]
1.残り時間5分より、次のように秒読みをする。
 ①「○○段、秒読みに入ります。」 ②「30秒、残り○分です。」
 ③「40秒、50秒、残り○分です。」 ④「55秒、58秒、(60秒たつと)残り○分です。」
2.残り時間1分になった場合、次のように秒読みをする。
 ①「30秒、残り1分です。」 ②「40秒、50秒」
 ③「1、2、3、4、5、6、7、8、9」、「10」を数えた時点で、時間切れ負けとする。
コンピューターのトラブルに関して ・コンピューターにトラブルが生じたことがわかった場合、そのいかんにかかわらず、主催者のもと復旧に努めるものとする。
・コンピュータートラブルがあり、原因がコンピューターソフトに起因しない場合、復旧にかかった時間は、消費時間に含めない。ただし、復旧時間が長くなり、対局の再開に影響が出る場合は主催者の判断により、コンピューターの負けとする。
・コンピュータートラブルがあり、原因がコンピューターソフトにある場合
①手番において着手が確定できない場合、その持ち時間を消費してコンピューター開発者側がトラブル処理を行なうものとする。なお、秒読みの場合はその限りではないが、復旧時間が長くなり、対局の再開に影響がある場合は主催者の判断により、コンピューターの負けとする。
②棋士側の考慮時間中にトラブルが見つかった場合は、トラブル処理を始めることができる。その場合は棋士側の着手の時点からコンピューターの持ち時間が消費される。
コンピューターとの対局に関して 上記ルールに記述のない事柄で、新たに規定を設ける場合は、主催者側とコンピューターソフト開発者が誠意を持って協議し解決にあたるものとする。
立会人 日本棋院棋士 趙治勲名誉名人が務める。立会人は、対局全般(対局開始、終了、トラブルの判定を含む)を取り仕切る。
賞金 賞金総額 5,000万円
優勝 3,000万円 ※日本経済新聞社賞含む / 準優勝 1,000万円 / 3位・4位 500万円

プレーオフ(優勝決定戦)の競技方法および対局ルールについて

■競技方法

  • 2勝棋士および1勝棋士が各2人の場合
  • 競技方法 2勝棋士同士で優勝決定戦。1勝棋士同士で順位決定戦(3位~4位)
    持ち時間 3時間 秒読みは残り時間5分から
    対局開始 午前10時30分  ※休憩時間は設けず終局まで打ち継ぐものとします

  • 2勝棋士が3人の場合 
  • 競技方法 2勝棋士3人が巴戦方式(下記)で優勝決定戦を行なう
    プレーオフ競技方法
    ※トーナメント抽選枠でCのポジションになった場合、1回戦で負けるとそれで終了になります。
    持ち時間 持ち時間なし 秒読み=1手30秒、1分の考慮時間3回
    対局開始 第1局 9時~、第2局 12時~、第3局 15時~ 

    ■プレーオフになる場合のリーグ星取り場合分けについて

  • 2勝棋士が2人の場合、2棋士ずつで優勝および3位決定戦を行います。
  • 1棋士が3連敗した場合、その他3棋士で優勝決定戦を行います。
  • 1棋士がリーグ3連勝で優勝が決定し、ほかの3棋士が1勝で同率の場合は、順位決定戦を行わない。
     優勝以外の棋士の賞金は2~4位の賞金合計を3等分した666万円が賞金となる。
  • 出場棋士

    日本代表

    井山裕太
    井山裕太 Iyama Yuta

    1989年5月24日生まれ、大阪府出身
    2002年入段、2009年九段
    <主要成績>
    2005 第12期阿含・桐山杯優勝(初タイトル)
    2009 第34期名人戦優勝
    2011 第49期十段戦優勝、第24回世界選手権富士通杯3位、第37期天元戦優勝
    2012 第67期本因坊戦優勝、第37期碁聖戦優勝、第60期王座戦優勝
    2013 第37期棋聖戦優勝、第25回テレビ囲碁アジア選手権優勝
    2016 第54期十段戦優勝(史上初の7冠同時制覇)

    Comment

    今回、このような素晴らしい大会に日本代表として出場させていただける事、大変光栄に思っております。
    この大会開催にあたり、ご尽力いただきました各関係者の皆様に、この場をおかりしまして、厚く御礼申し上げます。
    この記念すべき大会を盛り上げられるよう、自分のベストを尽くし、良い闘いができればと思っております。

    中国代表

    芈昱廷
    芈昱廷 ミ・イクテイ Mi YuTing

    1996年1月8日生まれ、江蘇省徐州市出身
    2007年入段、2013年九段
    <主要成績>
    2012 全国囲碁個人戦優勝
    2013 第1回夢百合杯世界囲碁オープン戦優勝
    2016 CCTV杯優勝
    2016 衢州爛柯杯優勝
    2016 中国竜星戦優勝
    2017 利民杯世界囲碁精鋭最強戦優勝

    Comment

    私は中国の棋士芈昱廷(ミ・イクテイ)です。
    現在は中国の衢州烂柯杯、CCTV杯、中国竜星戦と3冠を獲得しております。
    中国国家チームが組織する選抜試合の中で、私は強敵である陳耀燁九段、周睿羊九段、時越九段を破って、光栄にも今回の代表権を獲得しました。
    囲碁の人工知能の進歩スピードはとても驚異的で、日本代表選手の井山裕太九段、韓国代表選手の朴廷桓九段もとても強い実力の持ち主です。私の実力を発揮できるように、又皆様にすばらしい棋譜を見せられるように頑張ります。
    囲碁の人工知能が急速な進歩を遂げている時代に、大変意義がある世界戦を開催していただいた主催者に感謝申し上げます。本棋戦の成功を心より祈念いたします。

    韓国代表

    朴廷桓
    朴廷桓 パク・ジョンファン Park Jeong Hwan

    1993年1月11日生まれ、ソウル市出身
    2006年入段、2010年九段
    <主要成績>
    2009 十段戦、天元戦優勝
    2010 広州アジア競技大会男子団体戦・ペア戦金メダル
    2011 KBS囲碁王戦、第24回世界選手権富士通杯優勝
    2012 マキシムコーヒー杯優勝
    2013 第25回テレビ囲碁アジア選手権準優勝
    2015 第19回LG杯世界棋王戦、国手戦、棋王戦優勝
    2016 第8回応氏杯世界選手権準優勝

    Comment

    韓・中・日三カ国を代表する棋士の方々とAIが一緒に対局できる大会に参加できることになりました事を大変光栄に思っております。
    特にDeepZenGoと対局することになって大変楽しみです。
    私にとって大変良い経験になり、また実力を高めるいい機会だと思っております。
    3月の開催までの間、一所懸命に勉強していい碁を打つように頑張ります。
    本、世界戦を開催していただきました主催者に感謝申し上げます。

    囲碁AI代表

    DeepZenGo
    DeepZenGo
    『DeepZenGoプロジェクト』メンバー

    2016年3月、日本最強のコンピューター囲碁ソフト「Zen」の開発者・尾島陽児氏と加藤英樹氏を中心に発足した「DeepZenGoプロジェクト」により共同開発された囲碁ソフト。
    Zen開発者の二人に加え、東京大学松尾研究室、株式会社ドワンゴが開発体制を強化し、世界最強囲碁ソフトを目指すべく開発が進められている。

    【主要成績】
    2016 第2回囲碁電王戦で趙治勲名誉名人に1勝2敗

    【開発】
    囲碁ソフト『ZEN』開発者
    尾島陽児氏、加藤英樹氏

    東京大学松尾研究室

    【開発環境の提供・開発支援】
    株式会社ドワンゴ

    【協力】
    公益財団法人 日本棋院

    Comment(加藤英樹氏 開発チームZen代表)

    囲碁AIが参加できる棋戦の創設を心から嬉しく思うとともに、開催にご尽力下さった関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。
    人工知能の代表として囲碁の世界大会に参加できること、大変光栄です。
    棋戦まであまり時間がありませんが、Zenの改良に全力を注ぎ、恥ずかしくない結果を残したいと思います。

    対戦表

    棋士名 DeepZenGo
    (AI)
    芈昱廷
    (中国)
    朴廷桓
    (韓国)
    井山裕太
    (日本)
    順位
    DeepZenGo
    (AI)

    【棋譜確認】
    3/21

    【棋譜確認】
    3/22

    【棋譜確認】
    3/23
    1 2 3位
    芈昱廷
    (中国)

    【棋譜確認】
    3/21

    【棋譜確認】
    3/23

    【棋譜確認】
    3/22
    2 1 2位
    朴廷桓
    (韓国)

    【棋譜確認】
    3/22

    【棋譜確認】
    3/23

    【棋譜確認】
    3/21
    3 0 1位
    井山裕太
    (日本)

    【棋譜確認】
    3/23

    【棋譜確認】
    3/22

    【棋譜確認】
    3/21
    0 3 4位

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