奇跡の2024年☆つるりん1年を振り返る(前編)―「つるりん式観る碁のすすめ」


 今年も残すところわずかとなりました。みなさんにとって、この1年はどんな年だったでしょうか。囲碁界にとっては一力遼棋聖の応氏杯優勝を筆頭に嬉しい出来事がたくさんあった年でした。日本棋院の創立100周年がこのような年になったのはどこか運命的でもあります。
 来年も良い年になりますように。つる(鶴山淳志八段)&りん(林漢傑八段)とともに2024年を惜しみつつ、1年を振り返っていきましょう!!




つる = 鶴山淳志八段
りん = 林漢傑八段

(某有名ホテルのレストランにて)

  • りん ちょっとちょっと、こんな素敵な場所でどうしたの?
  • つる 今年はすごい1年だったでしょ?この奇跡の1年を振り返るのに普通のところは相応しくないでしょ。
  • りん それで、この豪華なランチ?えっ?つるさんのおごり?
  • つる いや、実はある篤志家の方が「チームつるりんで忘年会をしてください」と資金提供をしてくださったんです。
  • りん それはそれは、本当にありがとうございます。でも、よかった~。つるさんがいきなり奢ってくれたら何かあるのかと思っちゃう(笑)。
  • つる まあ、レストランでランチなのはそういうこと(笑)。でも、今年は絶対「観る碁委員会」として今年を振り返らないといけないとは思ってたよ。あと、「つるりん大賞」も復活させたいね。
  • りん いいね!今年は本当にすごい年だったから。どこから振り返ろうか。
  • つる 順番に行きますか。ものすごく昔みたいに感じるけど、(仲邑)菫ちゃんから(上野)梨紗ちゃんが女流棋聖を奪取したのが今年の2月なんだよね。



  • りん そうだった!あれは熱い勝負だったよね。姉妹対決を制した梨紗ちゃんがライバル対決も制して初戴冠。そして、菫ちゃんは韓国移籍。
  • つる 菫ちゃんの韓国移籍も時代の変化を感じる歴史的な出来事だったよね。驚いたけど、韓国でも女流タイトルを獲得する寸前にまで迫って順調にステップアップしている感じ。近い将来世界戦でも活躍しそうだね。
  • りん ああ、(上野)愛咲美ちゃんと菫ちゃんが世界戦の決勝で当たったりしたら最高なんだけどなー。
  • つる それは熱いね~。熱いといえば、一力(遼)さんと井山(裕太)さんの棋聖戦も熱かった。フルセットで一力さんが防衛したわけだけど、もうすぐ始まる来年の棋聖戦も井山さん。



  • りん 今年は全体的に一力さんが頭一つ抜けていた印象だけど、一個一個見ると井山さん、虎ちゃん(芝野虎丸九段)の活躍もすごいんだよね。余(正麒)くんも頑張っていたけど、国内はほとんどこの3人の戦いだったと言っていい。
  • つる 井山さんは3冠を獲得して世界戦の爛柯杯でベスト4入りもした。虎ちゃんは無冠になっちゃったけど内容的にはどれも紙一重だったし、春蘭杯ではベスト4に入った。来年必ず巻き返してくるね。女流棋戦ではやっぱり(藤沢)里菜ちゃんが強かったのかな。



  • りん 女流本因坊、女流名人、扇興杯だもんね。愛咲美ちゃんも女流立葵杯を持っているけど、国内戦に関しては里菜ちゃんの安定感が光ってた。ただつるさん、もう1人上半期に大活躍した方いますよね?
  • つる えっ?女流で?上半期?
  • りん 女流の世界戦で準優勝した方ですよ。
  • つる えっ?世界戦で?愛咲美さんの優勝以外であったっけ?
  • りん あったよ!鈴木歩七段(りんの愛する妻)、センコーカップ準優勝!!



  • つる そうだった!!牛(栄子)ちゃんとの準決勝を制して決勝に進出したんだよね。
  • りん まあ、決勝では崔精さんに貫禄を見せられちゃったから記憶になくても仕方ないんだけど。林家的には一番大きな出来事だったよね。
  • つる いやー、やっぱりいろいろあるね。しかも今年は後半が凄まじかったから。
  • りん じゃあ、メインはこの素敵なランチをいただいてから振り返ろうか。