井山の先番で開幕【第42期名人戦挑戦手合七番勝負第1局】


 高尾紳路名人井山裕太六冠が挑戦する第42期名人戦挑戦手合七番勝負(主催・朝日新聞社)が8月30日(水)に大阪府大阪市の「コンラッド大阪」で開幕した。
 今期の挑戦手合は、高尾にとっては連覇のかかる防衛戦。ただ、挑戦者の井山六冠にとっては再度の七冠達成がかかるという世紀の一戦となった。この七番勝負への注目度はごく自然と高まっている。
 対局開始の朝、9時に握りが行われ、井山の黒番と決まり第1局が始まった。本日の夕刻に打ち掛けによる封じ手が行われ、31日(木)に2日目が打ち継がれる。

 また、29日に行われた前夜祭では、両対局者による決意表明の花束贈呈などが行われた。

両対局者による決意表明

井山挑戦者
「今回の会場は初めてですが、本当に素晴らしいホテルで、なかなか自力では泊まることが出来ないので、こうして対局で来られるのは幸せに思います(会場爆笑)。この名人というタイトルは私の原点ともいえるタイトル。初めて挑戦したのも名人でしたし、獲得したのも名人なので、この舞台に戻って来れたことは非常にうれしい。昨年達成した七冠にもう一度挑戦できるということは、想像していなかったことなので、自分自身で驚いています。昨年高尾さんに敗れてから、少し肩の荷が下りたといいますか、ある意味もう一度自分の碁に向き合う良い機会になりました。この一年間自分なりに精一杯やってきたことをこの七番勝負で発揮できるように精一杯がんばりたいと思います。地元大阪での対局ですけども、自分の記憶が正しければあまり負けたことが無い(11勝1敗で10連勝中)ので明日は大丈夫だと思っています(会場拍手)」
高尾名人
「昨年の名人戦は僕の中でずいぶん遠い昔のような気がするんですけども、そのときから来年の防衛戦はきっとまた井山さんと戦うことになるだろうと予想はしていましたが、まさかそのまま六冠ゾロゾロ引き連れてくるとは予想していなかったです。でも、一番強い井山さんと最高の舞台で戦えるというのは嬉しいことだと思います、というのは建前でほんとは......(会場爆笑)。一年間準備してきたので自分の調子は悪くは無いので、良い戦いができるかなという思いもあるんですけど、でも相手が井山さんなので難しい戦いになると思います。井山さんには年齢だけは上なので、35年培ってきたものをこの七番勝負で井山さんにぶつけたいと思います。明日からいよいよ開幕しますが、例年1局目は東京なのですが、大阪の素晴らしい会場で打てるのは非常に嬉しく思うんですけども、僕の記憶が正しければ大阪では勝ったことがないので(会場爆笑)、そのことは忘れて精一杯頑張りたいと思います」


前夜祭で花束贈呈を受ける井山と高尾(右)。両手に花(!?)

本局は椅子対局。握って井山(右)の先番に。いざ、七番勝負の開始だ

前日の対局室の検分にて。前日から報道陣が詰め掛けた

第42期名人戦七番勝負第1局午前の途中まで

白:高尾紳路名人 黒:井山裕太六冠


(幽玄の間解説:大橋成哉七段

現地陣営

立会
小林光一名誉名人
新聞解説
村川大介八段
現地大盤解説
解説 : 山田規三生九段、聞き手 : 佃亜紀子五段
記録
但馬慎吾六段阪本寧生五段

名人戦七番勝負は日本棋院ネット対局「幽玄の間」でライブ中継いたします。

また、ニコニコ生放送でも生中継いたします。

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