さらなる飛躍に向けて【第42期棋聖就位式】


棋聖を防衛し、七冠を守った井山裕太棋聖第42期棋聖就位式(主催:読売新聞社)が4月13日、東京都文京区の「ホテル椿山荘東京」で行われた。

まず、主催者を代表して、読売新聞グループ本社の老川祥一最高顧問が「LG杯等国際棋戦が続くハードスケジュールの中、若手実力者の一力八段を3回連続で破ってのタイトル防衛は素晴らしい」と絶賛し、さらに「まだ、井山裕太棋聖は28歳、今後も精進して国際戦のタイトルを取ってほしい」と激励した。

来賓代表として、俳優で日本棋院評議員の辰巳琢郎さんが「井山棋聖は、おめでとうございますと言われ慣れているかもしれないが、この言葉がふさわしいと思う。このまま七冠を守ってほしいと思う一方、新しい人にも出てきてほしいとのジレンマがある。囲碁界を盛り上げるためにも、面白い挨拶を期待している」とユーモアを込めて、祝辞を述べた。

この後、第7回くらしき吉備真備杯こども棋聖戦低学年の部準優勝の桑原樹さんから花束を贈られると、井山棋聖は嬉しそうに微笑んで受け取った。

最後に、謝辞に立った井山裕太棋聖は関係者への感謝の言葉を述べた後、「辰巳さんからプレッシャーをかけられたが、気のきいたことは浮かばない」と断りながら、「最近の若い世代やAIの動きは変化が速く、取り残されないようしっかりアンテナを張りつつも、自分らしさは失わず、バランスを取って大きな目標に向かって頑張っていきたい」と力強く抱負を語った。

また、棋聖戦はどの棋士にもチャンスをという考え方の下、SからCリーグに分けて、それぞれの優勝者で挑戦者を決定していることから、各リーグの優勝者(Sリーグ:一力遼八段、Aリーグ:高尾紳路九段、Bリーグ:余正麒七段、Cリーグ:本木克弥八段)もこの場で表彰された。

棋聖6連覇を達成した井山
第7回くらしき吉備真備杯こども棋聖戦低学年の部準優勝の桑原樹さんから花束贈呈
各リーグ優勝者、左から本木八段、余七段、高尾九段、一力八段
来賓の辰巳琢郎さんと