井山裕太天元、3―1で連覇(通算5期目)の感慨深し――。
第42期天元戦五番勝負【主催・新聞三社連合(北海道新聞社、東京新聞、中日新聞社、神戸新聞社、徳島新聞社、西日本新聞社)、日本棋院、関西棋院】の就位式が2月10日に東京都千代田区の「松本楼」で行われた。
会場には井山天元のお祝いに棋士関係者を含む多くの囲碁ファンが集まった。
主催社を代表して中日新聞社東京本社の大島宇一郎代表、日本棋院の團宏明理事長、関西棋院の中川和雄理事長があいさつをし、井山天元の活躍に惜しみない賛辞をおくり、さらに来賓の祝辞として政治学者で東京工業大学教授の中島岳志さんが井山天元の防衛を讃えた。
アマ6段という東工大の中島教授は「定石など過去の知識の蓄積がたくさんあるところ〝自分の打ちたい手を打つ〟という井山さんの信念は大変なこと」と述べて井山天元の戦いぶりを絶賛した。
謝辞に立った井山天元は、
「今期の五番勝負を通じて(挑戦者の)一力遼七段は今後、日本囲碁界を背負っていく存在だと感じました。私も先輩方と戦ってくることで成長することができたと思うので、一力七段や王座戦で挑戦した余正麒七段をはじめとする後輩たちのためにもより一層頑張っていきたい」
続けて、
「天元戦は一年の締め括りの棋戦。2016年は七冠達成などいろいろなことがあった年ですが、いい形で一年を締め括れたのは良かった。今後も厳しい戦いが続きますが、良い結果が残せるように粘り強く戦っていきたい」
と五番勝負を振り返り、今後への抱負を語った。
井山、記念品の「志野花入」(しのはないれ)を持ち記念撮影。
陶芸家で人間国宝の加藤孝造氏の作。
井山天元と東工大の中島教授(右)で記念撮影。中島教授は井山天元と同じ大阪府出身。
関西棋院の倉橋正蔵八段のもとで勉強したという。中日新聞へ寄稿している縁からの
「登板」とのことだが、強い「碁縁」もあった。
就位式当日発売の雑誌の表紙を飾ったのは井山天元。中日新聞
東京本社の大島代表が話題にし、会場一同「ビッグ」リ!
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