第42期名人就位式(主催・朝日新聞社、日本棋院、関西棋院、協力・株式会社 明治、マニフレックス、藤田観光株式会社)、井山裕太七冠再制覇祝賀会(主催・日本棋院、協力・読売新聞社、朝日新聞社、毎日新聞社、日本経済新聞社、新聞三社連合、新聞囲碁連盟、産経新聞社、関西棋院、協賛・宝酒造株式会社、株式会社囲碁将棋チャンネル)が12月13日(水)に東京都文京区の「ホテル椿山荘東京」で行われた。
井山裕太の名人就位式、七冠再制覇のお祝いに集まった多くの囲碁ファン、棋士関係者含め500名ほどが見守るなか始まった。
挨拶に立った主催者の朝日新聞社・渡辺雅隆代表取締役社長が、井山七冠への国民栄誉賞授与検討のニュースにふれると会場からは祝福の拍手が沸きおこった。続いて日本棋院の團宏明理事長、関西棋院の正岡徹理事長が挨拶に登壇した。挨拶では、名人奪取、七冠再制覇を称えるとともに、世界戦での活躍や今回の偉業が報じられることで国内、海外への囲碁普及を期待する声も多く聞かれた。さらに来賓の祝辞として社団法人シナリオ作家協会理事長、脚本家の加藤正人さんが「囲碁は平安朝の時代にも打たれていて、歴代最強の井山さんは千年に一人の逸材。この勢いで世界の頂点に駆け登ってほしい」と称えた。
井山名人は「昨年名人を失った時点では、まさか七冠をかけて最高の形で名人戦の舞台に戻れるとは思っていなかった。生涯忘れられないシリーズになった。期待されている世界戦、まずは、直近の決勝戦(来年2月のLG杯)でいい結果を残したい」と謝辞を述べた。
その後、七大棋戦の主催者が壇上に勢揃いし、七冠再制覇祝賀会が行われた。大竹英雄名誉碁聖・日本棋院顧問の挨拶に続けて、柳本卓治・囲碁文化振興議員連盟会長が登壇し、安倍晋三内閣総理大臣の祝辞を代読した。「このたびの七冠再制覇まことにおめでとうございます。最高峰を極めながら、飽くなき向上心で進化し続けておられる井山七冠に深甚なる敬意を表します。井山七冠には今後とも益々活躍され、その独創的な碁で私たちを魅了し続けていただきたく存じます。世界に向けて囲碁の楽しさや日本文化の奥深さを広める推進力となっていただけることを切に期待します」
佐藤康光日本将棋連盟会長は「将棋はちょっと指しますが、囲碁は全くの初心者です」と会場を笑わせ、羽生永世七冠と井山七冠の偉業をたたえた。また、囲碁将棋チャンネル岡本光正社長からの記念品として高級腕時計の贈呈が行われた。
あらためて謝辞に立った井山七冠は「二度目の七冠というのは、全く想像してなく、ただただ驚いている。達成できた要因はいろいろあると思うが、世界戦に向けて各新聞社様にお願いを申し上げて、今年は多くの出場機会を頂きました。世界との厳しい戦いの中で得たいろいろな経験が、今回の七冠再制覇に大きくつながったのかと思っています。一度目のときはこういうチャンスは2度とないと思い、是が非でも達成したいと思っていたが、二度目は自然体で一局一局臨めた。これに満足することなくさらに上を目指したい。日本のタイトルの価値を、さらにあげるためにも世界でいい戦いができるように精一杯努力したいと思っている。応援してくれている皆様に今後少しでもご期待にそえるように頑張っていきたいと思います」と述べた。
その後、記念撮影、鏡開きが行われた。乾杯では師匠の石井邦生九段が「七冠は本当に欲の深いことでございます。棋士の皆様には大変ご迷惑をおかけしています」と挨拶、会場の笑いを誘った。
井山七冠、吉原由香里六段による解説会で、七冠再制覇を決めた名人戦第5局を振り返った。
また、式典の終了後、国民栄誉賞検討の報道を受け、場所を移し記者会見が行われた。
井山裕太七冠再制覇祝賀会
井山裕太七冠再制覇共同インタビュー