井山名人返り咲き! 三冠対決を制し3度目の大三冠【第45期名人戦挑戦手合七番勝負第5局】


 初防衛を目指す芝野虎丸名人井山裕太三冠が挑戦する第45期名人戦 挑戦手合七番勝負【主催:朝日新聞社】第5局が10月13,14日(火,水)に 静岡県熱海市「あたみ石亭」で打たれ、井山が178手までで白番中押し勝ちをおさめシリーズ4勝1敗とし3期ぶりに名人に復位、四冠(棋聖・名人・本因坊・天元)になるとともに2018年11月に名人失冠以来3度目の大三冠(棋聖・名人・本因坊)となった。終局時刻は19時26分。残り時間は黒番の芝野が1分、白番の井山が2分だった。

 これで井山は自身の持つ七大タイトル最多獲得数記録を49に伸ばした。芝野は本因坊戦に続き2日制の挑戦手合で井山に敗れ、王座・十段の二冠に後退した。

 対局については「朝日新聞デジタル」 「日本棋院囲碁チャンネル1日目2日目)」およびネット対局「幽玄の間」等にてお楽しみください。
 また詳細・解説については「朝日新聞」の観戦記、 毎週月曜日発売の「週刊碁」、 毎月20日発売の月刊誌「碁ワールド」等にてお楽しみください。


対局者のコメント

◯井山裕太挑戦者
「結果を残せたことはよかった。タイトル失冠が多かったのでひとつ戻せたのは自分にとってもよかった。どの碁も難しかった。2局目3局目あたりは自分が苦しい場面が多かった。ただ全局自分なりには精一杯戦えた感触はあった。 これまでとやることはかわらないが芝野さんはじめとする下の世代は非常に強力なので自分も少しでも成長できるようにがんばりたい」
●芝野虎丸名人
「調子が悪かったわけではないがうまく打たれてしまった。対局中は防衛でも挑戦でも関係なく打てたがタイトルを失ってしまったことはやっぱり残念。 今回は負けてしまったがこれまでとかわらず一局一局集中して打っていければと思う」


通算7度目の名人を獲得した井山(撮影:長尾迪)
芝野、井山の前に挑戦手合2連敗(撮影:長尾迪)
日本棋院囲碁チャンネルで巧みな解説を行った鶴山淳志八段と新聞解説の河野臨九段

第45期名人戦挑戦手合七番勝負第5局 終局図
黒:芝野虎丸名人 白:井山裕太三冠

(幽玄の間解説:金秀俊九段)


陣容

名人
芝野虎丸名人(名人・王座・十段)
挑戦者
井山裕太三冠(棋聖・本因坊・天元)
立会人
小林光一名誉名人
新聞解説
河野臨九段
記録
青木裕孝二段、辻華初段
幽玄の間
解説:金秀俊九段
日本棋院囲碁チャンネル
解説:鶴山淳志八段(2日目午後より)