一力シリーズ先勝!東京対局を制す【第46期棋聖戦挑戦手合七番勝負第1局】


第46期棋聖戦挑戦手合七番勝負

井山裕太棋聖
VS
一力遼九段


 前人未到の棋聖10連覇を目指す井山裕太棋聖一力遼九段が挑戦する 第46期棋聖戦挑戦手合七番勝負 (主催:読売新聞社・日本棋院・関西棋院) が東京都文京区「ホテル椿山荘東京」で打たれ、AI評価値が50%前後をいったりきたりの緊迫した戦いから終盤の井山棋聖の仕掛けにしっかりと応じた白番の一力遼九段が214手までで中押し勝ちをおさめシリーズ先勝とした。終局時刻は18時56分。残り時間は両者ともに1分だった。
 第2局は1月21日(金)、22日(土)に千葉県勝浦市「三日月シーパーク勝浦ホテル(旧:勝浦ホテル三日月)」にて行われる。

 この対局の模様については 「日本棋院囲碁チャンネル」の映像ライブ配信、 およびネット対局「幽玄の間」等にてご覧いただけます。
 また詳細・解説については、読売新聞の観戦記、 毎週月曜日発売の「週刊碁」、 毎月20日発売の月刊誌「碁ワールド」等にてご覧いただけます。

終局後のコメント

一力遼九段
「(下辺の競り合いでは)先にヒラいて、打ち込みにカケツイでコスむというのはAIでちらっと見たことはあったが、その後がはっきり分かっていたわけではなかった。
1日目の午前中はまずまずかと思っていたが、白70のオサエではノビて頑張っていた方が良かったかもしれないし、 白78のケイマも、先に左下コウを仕掛けるなど他の手を打っていた方が良かったかもしれない。 封じ手のツケコシから黒93と2間にされた辺りでは流れがあまりよくないと思っていた。
白112の割り込みも正しかったかどうかわからない。一応実戦のフリカワリなら、地になったわけではないがそれなりにヨセ勝負かと思っていた。上辺の白地がツケノビ(白156,158)で40目ぐらいまとまる格好になって、少し残るかと思ったが、 白166のコスミツケが感じの悪い手で、一路上のコスミなら厚かったような気がする。実戦黒167とコスミツケられてキリも損だったし、ヒキもまずそうだったので、 黒175コスミで先にアテコミ(9-九)とかやられていたら、負けになっていてもおかしくなかった。見えていた訳ではないが、コスまれたら取りに行くしかないので、色々耐えていたのは本当に運が良かった。白192のブツカリが見えて、黒が生きる手が見えなかったのでいけそうかと思った。
第2局もまたすぐ来週ありますし、他に重要対局が続くので、またコンディションを整えて臨みたい」
井山裕太棋聖
「(初日の手ごたえは) 下カケツがれて(22)からは深く知識として無かったのでそこからは手探り。基本的に感じが悪い展開かなと思っていたんですけど、悪いなりに一応地で頑張って打とうかなといった感じで悪いなりに先が長いかなと。
(2日目中央が繋がった辺りは) 一手一手わからないですけど一応難しいかなとは思っていました。
(フリカワリ(126)の辺りについて) たぶん良くはないかもしれない、上辺方面もどう決着するかよくわからないので。ただ実戦の囲わせ方では足りなかったような気がします。
(最後中央でコスミ出していった辺りについて) アテコミ(176)はその手自体はわかっていて実戦でも少しいけるかなと思ってしまったんですけど、後の読みが追いついてなかったので仕方ないかなと。
(また来週対局がありますが) 自分なりに少しでもいい状態で臨めるよう精一杯やりたいと思います」



大熱戦を終えた二人。勝利は一力がつかんだ。


初の棋聖獲得に向け、シリーズ先勝とした一力


次局の井山に期待










検討室の棋士たちも熱くなる



実際の碁盤を使ってのYouTube解説をおこなった林漢傑八段と星合志保三段


YouTube解説の青木裕孝二段と河野臨九段。河野九段は幽玄の間解説&YouTube解説と大活躍


大盤解説会場をトークで沸かせる解説&聞き手のこの二人。(林漢傑八段と星合志保三段)





会場にはスペシャルゲストが続々登場












第1局陣容

タイトルホルダー 井山裕太棋聖(名人・本因坊・王座・碁聖)
挑戦者 一力遼九段
立会人 山下敬吾九段
新聞解説 大西竜平七段
記録 青木裕孝二段近藤登志希二段
大盤解説 解説:林漢傑八段、聞き手:星合志保三段
幽玄の間解説 河野臨九段
日本棋院囲碁チャンネル 河野臨九段、他


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