高尾紳路十段に伊田篤史八段が挑戦していた森ビル杯第53期十段戦挑戦手合五番勝負(主催:産経新聞社)第5局が4月22日、東京都千代田区「日本棋院」で行われた。
結果は伊田篤史八段が217手まで黒番中押し勝ちをおさめ、シリーズ成績を3勝2敗とし十段位を奪取した。
伊田は初の七大タイトル獲得で、入段から7大タイトル獲得までの最短期間記録となった。
(入段から6年0ヵ月で獲得。これまでの記録は柳時熏六段(当時)の天元獲得6年8ヵ月)。
終局は17時18分、持時間3時間のうち残り時間は黒番の伊田が3分、白番の高尾が2分だった。
両対局者のコメント
伊田八段「序盤からずっと悪いかと思っていました。最後に下辺のコウから攻め合いになったときにはいけるかと思った。タイトル獲得の実感はありませんが、最終局と言うことで緊張もあり、今は終わってホッとしている」
高尾十段「いけているかなと言うときもあったけれど、全体的には難しかった。正しく打てば残っていたかも知れない。シリーズ全体では悔いが残る内容だったが、実力だから仕方が無い。防衛戦と言うことは気にせず打っていたが、伊田さんという若い方の勢いを感じていた。伊田さんと多く打てて勉強になることも多かった」
十段戦挑戦手合第5局終局図
黒:伊田篤史八段 白:高尾紳路十段 黒番中押し勝ち
森ビル杯十段戦五番勝負は日本棋院ネット対局「幽玄の間」でライブ中継いたしました。