第43期天元戦挑戦手合五番勝負(主催・新聞三社連合)の第1局が10月11日(水)に愛知県豊田市の「ホテルフォレスタ」で開幕した。顔合わせは、昨年と同じく井山裕太天元に一力遼七段が挑戦となった。井山が六冠の貫禄を見せるのか、王座戦でも挑戦を決めて勢いに乗る一力が奪取するのか注目のシリーズ。天元戦と王座戦ともに挑戦手合五番勝負で、合わせて井山と一力による〝十番勝負〟と話題だ。
対局は9時から井山の先番で始まった。持ち時間は各3時間、5分前から1分の秒読み。激闘の結果、18時7分終局、273手完、黒番中押し勝ちで井山が幸先良く1勝を上げた。残り時間はともに1分だった。
第2局は、10月27日(金)に北海道札幌市「ホテルエミシア札幌」で行われる。
詳細は、主催の新聞三社連合の新聞社の報道と観戦記(掲載紙はこちら)、天元戦特設サイト、週刊碁や月刊碁ワールドの記事にてお楽しみください。
局後のコメント
井山天元「左下隅で白にうまくサバかれて苦しくしたと思っていた。中央の白を攻めて戦果をあげないと大変と思っていました。右上隅の白は生きようと思えば生きれたのですが、攻めて頑張ってこられて、勢い実戦のような流れになりました。そのあと全然わかりません。最後、右上隅が本コウになったが少しコウ材が厚そう。実戦のようになると最後はコウに勝てるのがわかったときに勝てると思いました」
一力七段「序盤のあたりで成功したとは思わなかった。白72とツケ、74とケイマしたが、(黒75とカカえられ、打ったばかりの)白72を黒に取られたあたりが甘かった。実戦は白194、196の出切りのタイミングが悪くて、このあたりは何が正しかったのかわかりませんが、正しく打てばまだ難しかった。精一杯打った結果なので仕方がありません」
第43期天元戦挑戦手合五番勝負・第1局
黒:井山裕太天元 白:一力遼七段 黒番中押し勝ち
(「幽玄の間」解説・伊田篤史八段)
天元戦挑戦手合五番勝負は、日本棋院ネット対局「幽玄の間」でライブ中継いたします。