伊田篤史十段に井山裕太棋聖が挑戦する森ビル杯第54期十段戦挑戦手合五番勝負(主催:産経新聞社)の第4局が4月20日(水)、東京都千代田区の日本棋院本院で行われた。
結果は井山が163手まで黒番中押し勝ちをおさめた。シリーズ成績3-1で十段を奪取し、囲碁界史上初である七大タイトル独占を達成した。終局時刻は17時21分、持時間3時間のうち残り時間は黒2分、白1分だった。
第54期十段戦五番勝負はネット対局「幽玄の間」でライブ中継いたしました。
両対局者のコメント
井山棋聖
中央ポン抜いて(左辺を)上手くしのげれば、その後の戦いは良く分からなかったけれども流れは悪くないと思った。
右下が二段コウになり、(中央の)白の大石に寄り付けたので少しいけそう。
「打ちたいように打つ」が貫けた。
打っていてまだまだ未熟と感じることがあるので、さらに精進していきます。
期待されていたので(七冠を)達成することができ嬉しい。
伊田十段
ミスが多すぎて、全然ダメだった。
今日の碁はひどすぎた。
関係者のコメント
和田紀夫(日本棋院理事長)
「感動しました。井山裕太七冠が囲碁界史上初の同時七冠制覇を達成されたことに対し、心から祝意と敬意を表したい。今回の快挙は、囲碁界にとってまさに夢の実現であり、囲碁の存在を更に高め、日本、さらに世界の囲碁の継承、発展に大きく寄与するものと考えている」
石井邦生九段(井山七冠師匠)
「おめでとう。前人未踏の快挙に体が震えるほど感動しました。君のような、素晴らしい弟子に出会えたことを大変誇りに思います。今後もいろいろな試練が待ち受けていることだろうと思いますが、しっかりと歩み続けてください」
山城宏九段(日本棋院副理事長)
「おめでとうございます。昨秋の名人戦から鬼気迫る連戦連勝は、対局相手が迫力負けをしているのではと感じるくらいの勢いでした。ご本人が一番承知しているかと思いますが、七冠は最終目標ではないでしょうし、さらに世界戦での活躍もファンから期待されています。井山七冠の背中を追いかける若者の目標としてこれからもがんばってほしいです」
第4局終局の模様
第54期森ビル杯十段戦挑戦手合五番勝負第4局
黒:井山裕太棋聖 白:伊田篤史十段 黒番中押し勝ち