Google傘下のDeepMind社が制作した囲碁AI「AlphaGo」と韓国の李世乭九段の五番勝負が3月9日から15日まで韓国のソウル市で行われた。
結果は第1戦からAlphaGoが3連勝し五番勝負の勝利を確定、その後第4戦で李世乭九段が一矢報いるものの第5戦で再びAlphaGoが勝利して、通算成績4勝1敗でAlphaGoが勝利した。優勝賞金の100万ドルはユニセフ等に寄付される。
日本棋院ネット対局「幽玄の間」ではGoogle DeepMind Challenge Matchの模様をライブ中継しました。
また、週刊碁では3月28日号(21日発売)で、碁ワールドでは5月号(4月20日発売)でGoogle DeepMind Challenge Matchを特集してお届けします。
棋譜
第1局 黒:李世乭九段 白:AlphaGo 白中押し勝ち
第2局 黒:AlphaGo 白:李世乭九段 黒中押し勝ち
第3局 黒:李世乭九段 白:AlphaGo 白中押し勝ち
第4局 黒:AlphaGo 白:李世乭九段 白中押し勝ち
第5局 黒:李世乭九段 白:AlphaGo 白中押し勝ち
コメント
和田紀夫日本棋院理事長(3月11日)
今回の対局において、これまで「アルファ碁」が連勝したとは予想を超えた結果であり、驚いてる。
対戦は5局予定されており、最終的に成績がどうなるか予断を許さないが、どのような結果になろうとも囲碁が持つ力、効用は変わりがないものと考えている。
今後はこれを契機に囲碁界のレベルアップも 図られ、AIと人間の能力との継続的なコラボレーションによるAIの発達が、高度な経済社会と豊かな人間生活の実現に貢献することを期待している。
井山裕太棋聖(3月15日)
アルファ碁の実力には大変驚かされました。李世乭さんは長い囲碁界の歴史の中でも上位にくる棋士であることは間違いありません。その方に勝ち越したということは大変なことです。
ですが、李世乭さんが1勝を返したことも大変意義深いことだと思いました。この一局で、勝てない相手ではないこと、人間が上回っている部分があることを証明してくださったと思います。今回の五番勝負は結果として残念でしたが、李セドル九段には敬意を表したいと思います。
アルファ碁の優れた部分(形勢判断の正確さなど)もあると思いますが、人間のほうが優れた部分もあると感じました。ですので、この五番勝負でどちらが上ということはまだ私には言えません。今後の動向にも注目しております。