第54回大倉喜七郎賞の受賞者決まる

 平素は弊院に対し格別のご高配を賜り、御礼申し上げます。今般、「第54回大倉喜七郎賞」の受賞者が、以下の通り決定されました 。

「第54回大倉喜七郎賞」 ※敬称略

 大倉喜七郎賞は故大倉喜七郎氏の遺徳をたたえ、プロ、アマ、国内外を問わず囲碁普及に特に功労のあった方に贈られる賞で、受賞者は下記の4名の方です。

大橋 英三郎 (おおはし えいざぶろう) 株式会社ビッグ・ビー 88歳 (アマチュア4段)

 長きにわたり私財を投じ日本棋院の棋士を起用し、とちぎテレビにて囲碁番組を放送(2013年4月より1時間の番組)。十数年前より、宇都宮支部が活動している碁会所を開き、毎日40名前後の愛棋家を受け入れている。日本棋院主催の栃木県大会に積極的に選手を選出している。少年少女育成に特に力を入れている。その活動により、宇都宮市内を始め、高校の囲碁部増加に繋がっている。

福井 正明(ふくい まさあき) 日本棋院棋士・九段 81歳

 日本棋院創立80周年時に創設された囲碁殿堂表彰のノミネート委員として、創設当初から観戦記者・秋山賢司氏と共に中心的役割として候補者選抜に尽力。囲碁史会の中心メンバーで、古碁の発掘、日本棋院所蔵の古棋譜を解明し、不明であった対局者や対局の手順などの解明に努めた。歴代名棋士や囲碁史に焦点を当てた著作物を多数刊行し、囲碁ファンに囲碁史の魅力を伝えてきた。

秋山 賢司(あきやま けんじ) 囲碁観戦記者 79歳(アマチュア6段)

 日本棋院創立80周年時に創設された囲碁殿堂表彰のノミネート委員として、創設当初から福井正明九段と共に中心的役割として候補者選抜に尽力。囲碁殿堂資料館の資料収集・管理に貢献。作家・中野孝次氏の意向により創設された中野杯U20選手権の創設・運営にも貢献した。囲碁観戦記者として春秋子のペンネームで朝日新聞社の名人戦の観戦記や週刊碁、月刊碁ワールドなど各囲碁雑誌に執筆。囲碁に関する著作多数。

兵頭 俊夫(ひょうどう としお) 東京大学名誉教授、理学博士 78歳(アマチュア初段)

 棋士の石倉昇九段黒瀧正憲八段吉原由香里六段と共に東京大学教養学部で全学体験ゼミナール「囲碁で養う考える力」の開講・運営に多大な尽力をされた。現在も同講座は継続しており、囲碁が単なる遊戯ではなく、論理的な思考の確立、文化的な意義など学術的に評価され他の多くの大学や教育機関で囲碁講座を開講する基盤を築いた。


  • * 大倉喜七郎賞選考委員 吉川正夫、成瀬正治の各氏及び、武宮陽光理事長
  • ※ 「第54回大倉喜七郎賞」の授与式は、3月21日(金)に日本棋院東京本院で開催される合同表彰式にて実施。