大竹英雄名誉碁聖引退


 長年トッププロとして囲碁界をけん引してきた大竹英雄名誉碁聖が、12月15日付で棋士の引退を表明した。大竹名誉碁聖は今年79歳。9歳で故木谷實九段の弟子となって以来、囲碁界に入って70年となる節目でもあった。
 記者会見で引退の理由を問われた大竹名誉碁聖は、「頭のなかに浮かぶ囲碁の図が貧相になってきた」。いかにも美学にこだわる大竹名誉碁聖らしい言葉だった。
 大竹名誉碁聖は碁聖6連覇をはじめ、名人4期、十段5期など、通算タイトル獲得数48と輝かしい実績を誇る。同年齢の林海峰名誉天元とともに竹林時代を築いた。さらに2008年12月から12年6月まで日本棋院の理事長を務め、囲碁界の発展に尽力した。
 引退後は、「水戸黄門役をやってみたい。助さん格さん役の棋士を連れて、全国を行脚しながら、囲碁の楽しさを広められたら」ときっぱり。仲邑菫二段から花束が贈呈されると、満面の笑みで記念撮影に応じた。