新人編集サイトウ
急な異動で周囲の囲碁会話が呪文に聞こえる日々を過ごす、週刊碁歴ぼちぼち半年のアラフォー。棋力は10級。アニメとワインで現実逃避中。今年嬉しかったこと→「電子ピアノを購入。一度も弾いてないけど。それと地元を舞台にしたアニメ『おちこぼれフルーツタルト』が放送されたんですよ!女の子が皆かわいくて~」
先輩編集ホリー
ヒカルになるんだ!と意気込んだものの高段止まり。いつの間にか週刊碁歴10年になっていたアラサー。某ネコ型ロボットのグッズ集めが癒し。今年嬉しかったこと→「近所のTSUTAYAで漫画借り放題開始。神サービスすぎて、廃人へ。『ブルーピリオド』『違国日記』がいい感じでした」
- サイトウ「つよぉ~く~なれ~る~♪」
- ホリー 「......」
- サイトウ「ぼぉくを~!つ~れ~て~!す~すめぇ~~♪」
- ホリー 「JASRACが来たら、サイトウさんの自腹ですよ」
- サイトウ「まぁまぁ。週刊碁でも『石の呼吸~』とか便乗してミニ講座やってるじゃないですか。それに久々のコラム、テンションあげていかないと! 皆さん、油断したでしょう!忘れた頃にやってきますよ!」
- ホリー 「忘れられたままのほうが幸せなのでは......」
- サイトウ「何を言いますか! このコラムこそが今年の......。いや、最後に取っておきますか。パイセン、気が付けばもう年末ですね」
- ホリー 「ですね」
- サイトウ「コロナ禍で、碁界も今までにない年になりました。パイセンにとっては、どんな一年でした?」
- ホリー 「(サイトウさんと絡んだので)疲れましたね」
- サイトウ「出張に結構な頻度で行ってましたからね~」
- ホリー 「......はい。節目の対局を観戦させていただくことが多く、記者冥利に尽きた1年でした」
- サイトウ「何が一番印象に残ってます?」
- ホリー 「......んー。何だろう。ちょっと考えさせてください」
- サイトウ「判断が遅い!(パァン)」
- ホリー 「!?(突然のビンタ!?)」
- サイトウ「パイセンはとにかく判断が遅い。間髪入れず答えられなかったのは何故か? コラムに対する覚悟が甘いからだ。パイセンがやるべきことは2つ。常にネタを考える。すぐさま書く。コラムを更新するとはそういうことだ」
- ホリー 「......。じゃあ、サイト滝さんのナンバー1ニュースは?」
- サイトウ「ふふふ。真打ちの意見は最後です、最後! さぁ、本題! ファンの投票によって決まる週刊碁の年末恒例行事! 『このニュースがすごい!2020』始まりましたよ!」
- ホリー 「タイトルをパクらないように。『碁界ニュースグランプリ』です」
- サイトウ「12月28日発売の週刊碁では投票の目安になるよう、鶴山淳志八段と林漢傑八段をお呼びして、今年のニュースについてあれこれ語ってもらいました。イチャイチャした素晴らしいトークは是非本紙で確かめてください。......ということで、時間稼ぎは終わりです。パイセン、決まりました?」
- ホリー 「ファンと同じく、3つニュースを選べばいいわけですよね。客観性とかは度外視で、個人的に思い入れの深いものでいきます。まずはこれ」
- ホリー 「碁界三国志へ」
- サイトウ「ん? ノミネートにそんな項目ないですけど?」
- ホリー 「その他もあるし、いいでしょ。一力さんが天元戦を制したことにより、井山棋聖・名人・本因坊、芝野王座・十段、一力天元・碁聖と3人がタイトルを分け合う新時代に碁界は突入」
- サイトウ「失冠した2人に対して、2つ奪取した一力さんが光って見えますね」
- ホリー 「夢の初タイトル、そしてタイトル戦で5度敗れた井山さん相手に、ついにリベンジ――と、ドラマ性もすごかった」
- サイトウ「熱いものを見た!ってハシャいでましたね、パイセン。それなら素直に一力さんの項目に一票入れればいいのに、ひねくれた人ですな」
- ホリー 「来年の3人の戦い、どのような勢力図の変化が起こるか――そういうワクワク感を含めてるので」
- サイトウ「なるほど~。僕、三国志読んだことないんですけど、なるほど~」
- ホリー 「えっ!? 横山光輝も?」
- サイトウ「ないっす」
- ホリー 「えっ!? えっ!? 魏=井山、蜀=芝野、呉=一力っていう個人的イメージを、延々語り合おうと思ってたんですけど!?」
- サイトウ「次いってみましょう」
- ホリー 「藤沢、女流初の快挙」
- サイトウ「手堅くきますね~。広島アルミ杯で優勝! 男女混合公式棋戦で女流棋士が優勝するのは初なんですよね!」
- ホリー 「実力的に不思議ではないとはいえ、インパクトがすごかった。ここだけの話、自分が休みの日に行われている棋戦は後日棋譜を見ることが多いのですが、今年の広島アルミ杯は最初から最後まで喰らいつくように見てしまいました」
- サイトウ「倒した相手の中には、平田さん、孫さんら強豪の名前もあって、文句なし!」
- ホリー 「ですね。里菜さんとは、将棋の里見香奈女流四冠との対談を実現出来たのも思い出深いです」
- サイトウ「里菜さんが実は面食いとか暴露されてて、最高でしたね~」
- ホリー 「うまい具合に素の状態が出ていて。紙面では紹介できなかったのですが、お互いに囲碁と将棋のルールを教えあったんですよ。そこで里菜さんが『角』の駒を手に取って衝撃の一言を放ちました」
- サイトウ「なんて?」
- ホリー 「『カド』っていう駒はどう動くんですか?」
- サイトウ「カド!?」
- ホリー 「もうね、すごく癒されました」
- サイトウ「それ、ばらしてよかったんですか?」
- ホリー 「......」
- サイトウ「これは......おかげ杯?」
- ホリー 「はい。今年はコロナの影響で棋院での開催でしたが、僕にとっては五十鈴川のほとりで打たれるこの光景こそ、おかげ杯。最後は『おかげ杯終了』で」
- サイトウ「第11回にして......。寂しいですね......」
- ホリー 「......はい。おかげ杯には、何度も取材に伺いました。おかげ杯国際精鋭対抗戦も含めれば......5回かな? 対局数が多い上に、対局場と解説会場が離れていることが多く、カメラ片手にいつも汗だく。おかげ杯は取材する側にとってはきついんだよなぁ......なんて憎まれ口を叩いたことも。でも、一般の人が往来するおかげ横丁という観光地に響く碁石の音。あの雰囲気が、たまらなく好きでした」
- サイトウ「若手棋士にとっても励みになる棋戦だったでしょうね」
- ホリー 「ええ。対局の合間に、おかげ横丁で買い食いしていたり。おかげ国際なら、他国の選手と一緒に観光したり。どこか修学旅行じみた空気もあって、皆楽しそうでした」
- サイトウ「いいな~。本場の伊勢うどん食べたことないんですよ。どれだけグニャグニャなのか気になる」
- ホリー 「美味しいですよ。しかし本当に素晴らしい棋戦でした。コロナが収まったら、個人的に伊勢へ旅行に行こうかと思っています。しみじみ振り返ってみたいな、と。関係者の皆様、今まで本当にありがとうございました」
- サイトウ「しんみりした空気になってやりにくいですが、ついに真打登場! 皆さん、サイトウTHEベスト、聞きたいでしょう!」
- ホリー 「手短にどうぞ」
- サイトウ「まずは『サイトウ、週刊碁へ来る!』突然の異動...上司の無茶ぶり...パイセンのイジリ...ああ、涙なしでは語れぬ苦難の日々...」
- ホリー 「うん。次いきましょう」
- サイトウ「すっかり塩対応にも慣れてきましたよ。絶対に外せないのが、これ!『サイトウ、ぱるにゃすと出会う!』」
- ホリー 「まぁ、ですよね」
- サイトウ「〝ぱるにゃす〟こと、4ヵ月でアマ初段になった天才声優・照井春佳さん! 彼女の対談記事は、今年一番のヒットでは?」
- ホリー 「記事の評判、めっちゃエゴサしてましたもんね。確かに好評...特にSNS上での盛り上がりは、週刊碁史上ナンバー1だったかも」
- サイトウ「囲碁ファン以外の注目を集めるという、碁界関係者が悲しくも成しえぬ偉業を成し遂げた、ぱるにゃす! 彼女こそニュースグランプリ覇者にふさわしい!」
- ホリー 「そういう視点で見ると確かに。YouTubeで入門動画を作ってくれたり、囲碁普及の観点からも感謝しかありません」
- サイトウ「そうでしょう!そうでしょう! 今度は吉原由香里六段と組んでオンライン講座もやるとか! 来年も、ぱるにゃす旋風きますよ~。もうね、可愛すぎて死にそう!」
- ホリー 「どうぞご自由に。ラストは?」
- サイトウ「ふふふ。忘れてませんか? 最大のニュースを」
- ホリー 「はよ。今日、クリスマスですよ。早く帰りましょう」
- サイトウ「独身者が何を生き急ぐのか。......いいでしょう。では、いきますよ!ラストは『サイトウ、コラムを始める!』」
- ホリー 「......」
- サイトウ「憎き......いえ、尊敬するパイセンと紡いできた名文の数々。これらこそ、お堅い囲碁界に刻む、新たな一歩!」
- ホリー 「......」
- サイトウ「ぜひ!ぜひ!清き一票を我々に! 投票は、こちらから!
- ホリー 「......。このままだと組織票で1位を目指しかねないので、皆様のお力で阻止してください」
- サイトウ「そんなことするわけないでしょ! 来年が楽しみですよ。投票の結果を見て、パイセンが慌てふためく様が目に浮かびます」
- ホリー 「はいはい。1月6日まで投票可能なので、年越しの肴の一つにでもしてもらえれば嬉しいです」
- サイトウ「『とある編集室』を来年もよろしくお願いしやす!」
- ホリー 「(......続いてればね)皆様、よいお年を!」