ここでは週刊碁連載中の「つるりん式観る碁のすすめ~四字熟語編」で書ききれなかったこぼれ話を紹介します。(つる=鶴山淳志八段、りん=林漢傑八段)
「猪突猛進」では張豊猷八段が選ばれました。棋風と人柄の両方ともが熱くてまっすぐだから、というのが表向きの理由ですが、つるりんの2人が話している様子から察するに、りんがとにかく張八段のことが大好きだから、というのが本当のところのようです。りんは張八段の名前がでるだけで顔がほころんで饒舌になります。行き過ぎた愛のせいで張八段には失礼を多々働いてしまっているそうですが、許してほしいとのことでした。この場を借りてお詫びいたします。
さて、りんとの関係性から張八段がダントツとはなりましたが、他にも何人か候補が挙がりました。今回はその中から酒井佑規三段(17歳)を紹介します。
酒井三段のプロ入りは13歳。最近の低年齢化を考慮に入れてもかなり早い入段です。両親はまったく碁を打ちませんでしたが、6歳の時、自ら興味を持ち独学しました。その後、名門・緑星学園にたまたま家が近かったからという理由で通うようになり、あっという間に強くなっていきました。昨年の成績は26勝10敗。碁聖戦、十段戦、阿含桐山杯の本戦に入った今注目の若手です。
- つる「碁に対してひたむきでまっすぐな姿勢が素晴らしい。棋風はザ・戦いの碁。ごちゃごちゃした乱戦が得意。難しい読み合いでも突っ込んでいく勇気があります。それに打っている時の目力がすごい」。
- りん「彼は混沌に強い。いわば混沌流。石が絡み合ってわけが分からないような局面で輝きを放ちます。きっと大活躍するでしょう」。
猪突猛進に棋道をまい進して、近い将来タイトル戦に出てくるかもしれません。酒井三段、みなさんぜひ覚えておいてください!
記・編集K
混沌流の酒井佑規三段