ここでは週刊碁連載中の「つるりん式観る碁のすすめ~四字熟語編」で書ききれなかったこぼれ話を紹介します。(つる=鶴山淳志八段、りん=林漢傑八段)
今回はファン人気が非常に高い、芝野虎丸九段が登場しました。魅力的な棋士の方はたくさんいますが、芝野九段ほど多くの方から好かれ、推されている棋士はなかなかいないように思います。そこで本コラムではそんな芝野九段の魅力を多角的に検証するべく、4人の方にそれぞれの立場から芝野九段の好きなところを語っていただきました。
証言1:先輩棋士代表、鶴山淳志八段
虎丸九段はトップ棋士なのに少しも気取ったところがなくて、私も虎ちゃんと呼ばせてもらっています。一番キュンとしてしまうのはあのハニカミ笑顔です。対局時に見せる静かな闘志と盤を離れた時の親しみやすさ、可愛らしさ、このギャップが虎丸九段最大の魅力だと思います。
証言2:先輩棋士代表、林漢傑八段
虎丸九段は僕より一回り年下なのですが、とっても懐が深い感じがして、一緒にいてすごく居心地がいいです。自然体で誰にも気を遣わせないというか、器が大きい感じがします。
一方で、碁に対しては妥協がなく、いつも自分の考える最善を打っているという印象です。私はAIではこうなっているから、とか、こっちの方が勝ちやすいんだろうな、などと打算で手を選んでしまうことがあるので、それを一切しない虎丸九段のことは同じ棋士としてとても尊敬しています。
証言3:後輩棋士代表、上野梨紗二段
虎丸先生は棋士になる前からファンで、週刊碁の方から「新初段シリーズで誰と打ちたいですか?」と聞かれた時には「虎丸先生が推し棋士です」と答えました。
姉(上野愛咲美女流立葵杯)から「すごいいい人だよ」と聞いていた通り、すごく後輩に優しくて、めちゃくちゃいい先生でした。虎丸先生がネット碁でよく後輩たちと打ってくれるのは有名で、後輩はみんな申し込んでいます。私も申し込んで、受けていただいた時はとっても嬉しかったです。
対局している時の雰囲気も好きで、ずっと静かでずっと綺麗ですごいなあと尊敬しています。棋風もいつの間にかよくなってるみたいな、ジワジワ逆転するところがすごくて尊敬しています。
証言4:ファン代表、島村由紀さん
初めて動画を拝見してから、対局中のクールな佇まいとお話しされている時のにこやかな笑顔、どちらもとても素敵な先生だな〜と思って応援していました。
そんな中、私がますますファンになってしまった虎丸先生の一言があります。昨年の名人戦で虎丸先生が解説をされていた際のコメント「解説の仕事は断ろうと思ったけど、一番悔しさを味わえるのがこの場所かと思って・・・」。穏やかな口調ながらこの闘志!!!たまらなく頼もしくこの人のファンでよかったと心から思いました!
応援の気持ちを込めて似顔絵をよく描いており、おそらくファンの中でもとくに虎丸先生の写真をまじまじと観察していると思います(笑)。頬の黒子やツヤツヤの髪の毛、後頭部の綺麗な丸みなどたくさんチャームポイントがありますが、絵を描く上で私にとって虎丸先生の一番の魅力はやはり表情の変化です。笑顔の絵、真剣な表情の絵、それぞれ大変楽しく書かせていただきました!
いかがだったでしょうか。ちなみに、ファン代表でご協力いただいた島村さんはプロの絵描きさんです。今回、本コラムを掲載するにあたって、芝野九段の素敵な似顔絵をたくさん提供していただきました。本当にありがとうございます。