王座にロックオン―「怒涛流」余正麒八段はプールシューター「つるりん式観る碁のすすめ~こぼれ話」


 ここでは週刊碁連載中の「つるりん式観る碁のすすめ~四字熟語編」で書ききれなかったこぼれ話を紹介します。(つる=鶴山淳志八段、りん=林漢傑八段

 秋は「観る碁」が最高に盛り上がる季節。なぜって重要棋戦が目白押し!名人戦に天元戦、女流本因坊戦に加えて10月21日(金)には東京都港区「グランドプリンスホテル新高輪」にて、王座戦が開幕します!!
 そこで今回、週刊碁の紙面では「観る碁」的秋の主役の一人、余正麒八段を「疾風怒濤」で紹介しました。スケールが大きい棋風で、特に攻勢に回った時の力強さ、速さはピカイチ。大波が押し寄せるかのような迫力で圧倒します。つる&りんはそこから余八段に「怒涛流」の異名を付けました。

 さて、本コラムではそんな余八段のプールシューターとしての顔をご紹介しましょう! (編集Kがネットで調べたところ、ビリヤードをする人のことを通はプールシューターと呼ぶそうです。本コラムを執筆するまで知りませんでしたが、語感がカッコいいので採用しました)。実はビリヤードは棋士の間ではなかなか人気の趣味で、我らがつるも愛好家の一人。そしてつるの証言によれば、余八段の腕前は棋士プールシューターの中で頭一つ抜けているとのことです。



プールシューターあまるくん(余正麒八段)【写真提供:鶴山淳志八段】

 この写真はつるが余八段とプレーした時に、そのあまりのカッコよさに思わずシャッターを切った一枚。眼光鋭くロックオンする姿はいかにも怒涛の攻勢を仕掛けてきそうです。ちなみにつるの腕前は自称8級くらい。きっちり圧倒されたとのことです。
 聞いた話では余八段がこの秋に挑む井山裕太王座もビリヤードの愛好家だとか。編集Kの密かな野望として、いつの日か余八段、井山王座、つる、によるビリヤード大会の観戦記を執筆して本コラムで紹介したいというのがあります。つる先生、何とぞ幹事をお願いいたします!

記・編集K
  • * 週刊碁の記事の中でつる&りんが余八段を「あまるくん」と呼んでいましたが、この呼び方はとてもメジャーなので読者の皆様もぜひ覚えてください。棋士仲間ならほぼ全員、棋士以外の関係者からも時々そう呼ばれています。おそらく「あまるくん」の浸透率に対抗できるのは鈴木伸二七段の「ウニ」くらいでしょう。