ここでは週刊碁連載中の「つるりん式観る碁のすすめ~四字熟語編」で書ききれなかったこぼれ話を紹介します。(つる=鶴山淳志八段、りん=林漢傑八段)
今回はつる&りん世代の初恋の人(?)吉原由香里六段が登場しました。「由香里さんの美しさは日本の四季と同じ。我々が恋した20代の由香里さんもそれはそれは素敵だったけれど、今の由香里さんもそれはそれは素敵なのだ」とつる&りんは力説していました。その二人の見解はきっと多くの方にご同意いただけるのではないかと思います。
さて、吉原(梅沢)六段といえば、とある国民的囲碁マンガの監修を行ったことで有名です。その国民的囲碁マンガといえば・・・もちろん、『ヒカルの碁』です!!
『ヒカルの碁』、通称「ヒカ碁」は今から20年以上前のマンガですが、その威力たるや・・・。編集Kは「趣味は囲碁です」と自己紹介をして「ああ、囲碁は知らないけど『ヒカ碁』は知っている」と言われること数十回。最近では海外のGOプレーヤーに「アナタガ碁ヲオボエタキッカケナニ?」と尋ねると7割「オー、ヒカルノゴ」と返答が来て戦慄しました。『ヒカルの碁』は昔のマンガ!?とんでもない、今なお囲碁を世界に発信し続ける時代を超えた名作です!!
ということで、今回は吉原(梅沢)六段が監修した「ヒカ碁」のリスペクト企画!!「ヒカ碁」によって棋士への道を歩むことになった「ヒカ碁」大好き棋士、木部夏生三段にお願いして、多くの棋士が参加している「今研究会」通称「今研」でメンバーに好きなキャラと理由、好きなシーンを聞いてきていただきました。
今研メンバーはたくさんいるので今回はその中から6人の「『ヒカ碁』のココが好き」をピックアップしました。木部三段による解説でご紹介していきましょう!
【以下、プレゼンター=木部三段】
はい、棋士の木部夏生です!さっそくいってみましょう。まずは私より下の世代から2名ご紹介したいと思います!
1人目は森智咲初段!好きなキャラは塔矢アキラ。理由は真面目なのに何か面白いからとのことでした。
実は結構、塔矢アキラが初恋だったっていう棋士いるんですよね。たしか、謝先生(謝依旻七段)がそうだったかな。アキラはヒカルを囲碁の道に導くすごく重要なキャラで、ヒカルとは対照的な感じで描かれてます。そして好きな理由、わかりますね~。真面目なのに面白い。ちなみに智咲ちゃんが好きなシーンはアキラが「僕負けようか?」というところと「僕がここで投了」というところだそうです。「ぼくがここで投了」はめちゃくちゃ有名で、アキラの真面目なんだけどなんか面白いところが凝縮されたシーンですよね!めちゃくちゃカッコよく「僕がここで投了」って(笑)。すごく熱い、熱すぎてちょっと面白くなっちゃってる、そんな塔矢アキラくんが最高なんです。
2人目は小山空也五段です。
空ちゃんの好きなキャラは和谷、伊角さん、奈瀬だそうです。
理由は和谷と伊角さんについては「思うように勝てていない二人を応援したい」って書いてありますね。そして、奈瀬については一言「かわいい」って書いてあります(笑)。
空ちゃんの普通の男の子らしさが出ちゃいましたね。「奈瀬がかわいい」についてはもう言うことない。うん、もう奈瀬はかわいいです!
空ちゃんが挙げてくれたこの和谷、伊角さん、奈瀬はヒカルの院生仲間で、奈瀬は院生の中でほとんど唯一の女性キャラだったので、私もとっても影響を受けました。18巻は奈瀬にフォーカスしたエピソードがあって、私も大好きなので、みなさん、18巻、ぜひ読んでくださいね!
和谷、伊角さんを応援したいはよく分かりますね。特に伊角さんは実力があるのにプロ試験になかなか受からないで苦労したキャラで、棋士はやっぱり思うように勝てない経験をたくさんするものなので、つい感情移入しちゃうんですよ。そういうわけで伊角さんは棋士に大人気のキャラなので、またあとで出てくると思います!
* 残りの4人については第2部でご紹介します。