ここでは週刊碁連載中の「つるりん式観る碁のすすめ~四字熟語編」で書ききれなかったこぼれ話を紹介します。(つる=鶴山淳志八段、りん=林漢傑八段)
瀬戸大樹八段をゲストに招いての関西棋士編最終回は硬派で優秀な期待の若手、小西理章(よしあきら)初段をご紹介しました。囲碁教育に力を入れる「からたち幼稚園」出身の小西初段はオール関西で育んだ宝物のような存在です。
さて、今回は「関西には他にも優秀で有望な若手がいるんやで!」ということで、関西の広報官の呼び声高い、佐田篤史七段にもう3人紹介していただきました。
【以下、佐田七段プレゼンツ】
こんにちは佐田篤史です。今回、関西の有望な若手をというリクエストだったので、まだNHK杯に出たことがない、でもこれから確実に出てくるだろう、僕が注目している若手をピックアップしました。
AI研究に関しては関西では誰もが一目置く存在。穏やかで、素敵な人柄です。
ネット碁では何回負けても強い人に挑み続けているのがカッコいいところ。強い人に挑み続けるのは勉強になるけれど自然と負けが多くなり、人によっては勝ち方が分からなくなってしまうこともありますが、彼の場合は着実に力を付け、昨年の勝ち星は関西棋院7位の23勝(10敗)。技術とともに自信が付いたのではないかと思います。
現在、新人王戦ベスト8に進出中。注目です!
実戦力が非常に高く、日々の勉強では鍛えにくい「序盤の終わりから中盤」がめちゃくちゃ強い。うらやましいです。昨年は名人戦最終予選に進んで、「最強の初段」と言われていました。昇段したので今は「最強の二段」ですね(笑)。彼は現在も岡山在住です。遠い分、1局にかける思いが強いのが強みです。プロ入り前、道場に通っていた頃に何度も打ちましたが、道場生の中で「今日必ず強くなる」という気持ちを1番感じました。
少しぼーっとしたところがありますが、話せば話すほど面白い人です。
最後に紹介するのは表悠斗初段。
令和3年度に13歳で入段した当初から「あの才能はすごい」と評判でした。研究会では常に好成績。詰碁を解くのも、創るのも天才的で、いつも感動しています。
あまりにも才能が光っていたので、すぐに活躍するだろうと思われていましたが、やはりプロの世界は独特なものがあるのか、入段後しばらくは内容がいい碁でもなかなか勝ちに結び付けられず苦労していたようです。しかし、最近はリズムがつかめてきたのか、実力をしっかりと発揮している印象です。棋聖戦ではFT決勝まで勝ち進んでいます。このままどんどん勝っていってほしいです!