鈴木歩七段が上野愛咲美女流棋聖に挑戦する第25期ドコモ杯女流棋聖戦が1月20日(木)神奈川県平塚市で開幕する。2人の頂上決戦が初めて行われたのは2年前の第23期。当時2連覇中だった上野に鈴木が挑み、タイトルを奪取した。翌期、上野はトーナメントを勝ち上がり、立場を変えて再び対戦。今度は上野がタイトルを取り返した。そして今年、鈴木が挑戦者に名乗り出て、両者は三度あいまみえる。3度目の挑戦手合を前に挑戦者の鈴木七段に話を聞いた。
- ―― もうすぐ挑戦手合が始まりますが、今どのような心境でしょうか。
- ● 3度目ともなると平常心です。昨年、一昨年は少しそわそわするようなところもあったのですが...。私は意識すると結果が良くないタイプなので、平常心でいられているのはいいことだと思います
- ―― 挑戦が決まった時、「上野さんとの挑戦手合は2年ともすごく楽しかった。またその舞台で打てるのが嬉しい」とおっしゃっていました。
- ● そうなんです。私はどちらかというと実利派で、普段からシノギに回ることが多いのですが、上野さんと打つと特にその傾向が顕著になります。上野さんの攻めの力がとても強いので、少しでもぬるい手を打つと思わぬところから強烈な一撃が来る。ギリギリの勝負をしないといけません。それが、力が引き出される感じがしてとても楽しいです。
- ―― 挑戦に向けて何か準備はされていますか?
- ● 上野さんと打つと必ず死活が重要になってくるので、挑戦が決まってからは毎日意識して詰碁を解く時間をつくっています。
- ―― 序盤の研究などもされているのでしょうか。
- ● まだ打ち方は決めていません。これから夫(林漢傑八段)の力も借りて、作戦を練っていく予定です。
- ―― 挑戦に向けて意気込みをお願いします。
- ● そうですね。昨年は1局目に勝って少し気が緩んでしまったところがあったと思います。なので、今年は勝っても負けても目の前の一局に集中して打てればと思います。
- ―― ありがとうございました。
記・品田渓
挑戦手合3番勝負に向けて準備をする鈴木七段。
2人の頂上決戦の始まり。第23期ドコモ杯女流棋聖戦。
加藤千笑二段に勝利し、挑戦権を獲得。3期連続、鈴木七段VS上野女流棋聖の顔合わせになった。