第33期女流名人リーグ、1月27日(木)に開幕
今の女流囲碁界は藤沢里菜女流名人、上野愛咲美女流棋聖の2トップに加え、謝依旻七段ら百戦錬磨の実力者、仲邑菫二段ら勢いのある若手と、どこを取っても過去最高の層の厚さだ。まさに、百花繚乱の様相を呈していると言える。
1月13日、藤沢への挑戦者を決める第33期女流名人リーグ戦のメンバー7人が決定した。その陣容は現女流碁界を濃縮したかのような重厚さ。1月27日の開幕を前にそれぞれのコメントと共に今期リーガーを紹介する。
【 上野愛咲美女流棋聖 】
昨年、女流名人、女流立葵杯、扇興杯女流最強戦の3棋戦で藤沢と頂上決戦を行った、女流2強の1人。しかし藤沢の終盤力に苦戦し、タイトルを奪うことができなかった。以降、「ヨセの強化に取り組んでいる」という。昨年11月には広島アルミ杯・若鯉戦で優勝した他、2021年の最多勝利賞(54勝25敗)を獲得。
コメント「リーグなので負けても引きずらないように、1局1局楽しく打ちたいです。挑戦者目指して頑張ります」。
【 鈴木歩七段 】
現在、上野と女流棋聖の座を争っている実力者。昨年のリーグではプレーオフで上野に敗れ、あと一歩のところで挑戦はならなかった。夫、林漢傑八段の研究協力と応援してくれる2人の娘がパワーの源。
コメント「前期は後半失速してしまったのが心残りでした。なので、今年はあと一歩踏み込んで、挑戦を目指したいと思います」。
【 謝依旻七段 】
女流名人といえばこの人。2008年から2016年まで、9連覇という偉業を成し遂げた。長く頂点に君臨していた謝は多くの若手女流棋士の憧れの存在。昨年はあと1勝で名人リーグ入りのところまで勝ち上がり、大きな話題となった。
コメント「厳しい相手ばかりですが、少しでもいい結果を出せるように頑張ります」。
【 牛栄子四段 】
着実に力をつけてきている若手実力者。女流棋聖挑戦や扇興杯準優勝などの実績がある、タイトルに近い存在。また、七大タイトル戦では昨年、碁聖戦で自身初の本戦入りを果たした。
コメント「昨年、初めて女流名人リーグに参加することができ、とても光栄でした。リーグ戦では短期間でトップの先生方と多く対局ができたことで、反省点や課題が多く見つかりとても勉強になりました。今年は、昨年学んだこと、感じたことを少しでも活かせるよう、頑張りたいと思います」。
【 向井千瑛六段 】
女流名人戦で何度も謝と挑戦手合を戦った屈指の力戦家。女性の剛腕といえば「ハンマー」こと上野の印象が強いが、実は向井も引けを取らない。自分の型にはまった時の破壊力は凄まじく、女性最強の棋士、崔精九段に勝ったことも。
コメント「リーグに復帰することができ、うれしく思います。このメンバーと対局できるのが、純粋にうれしいことですので、1局1局を大切に打ちたいです。リーグを盛り上げることができるよう頑張ります」。
【 仲邑菫二段 】
2019年、10歳0カ月で史上最年少入段。2021年、12歳0カ月で史上最年少昇段。女流立葵杯でベスト4入りし、一般棋戦では棋聖戦でCリーグ入りを果たした。年間勝ち星は上野、許家元十段に次ぐ3位(43勝18敗)。規格外の大器。
コメント「強い先生達と対局できるのが嬉しいです。一局一局頑張ります」。
【 大森らん初段 】
広島県出身のホープ(関西総本部所属)。初手合で同期入段の仲邑と対戦し、勝利した。この対局は当時「スミレとランの同期対決」と呼ばれ注目を浴びた。昨年の年間成績は19勝16敗と堂々の勝ち越し。
コメント「女流名人リーグに入れると思っていなかったので、広島のお世話になっている方にもいい報告ができて嬉しかったです。上野先生とは初対局なので楽しみ。目標はまず一勝。丸まらずにのびのび打ちたいです」。
リーグ開幕戦は1月27日(木)、向井千瑛六段VS牛栄子四段。