五代中庸・鶴山淳志八段の中庸戦徹底解説2023(3)―六代中庸を大予想【コラム:品田渓】


 10月28日(土)、29日(日)に行われる第6回SGW杯中庸戦本戦に向けての徹底解説。前回覇者の五代中庸・鶴山淳志八段による出場棋士紹介の後は恒例の予想大会です。六代中庸の座に就くのは誰か、さっそく予想していただきましょう!

(鶴山淳志八段=林漢傑八段 ライター品田渓=

(しばし相談タイム)
  • ) はい。出ました。言っていいですか?
  • ) お願いします。
  • ) 本命は志田八段です。実はここに来る前は安達七段が本命かなと思ってたんです。でも、先ほど初代に聞いたら、安達くんが本命だというので、あえて外しました(笑)。
  • ) いや、これは私の予想が当たっちゃうと思うな。安達くんは勢いがあって早碁が得意。最近好調だし、大本命でしょ。志田くんは確かに強いけど、最近不調だよ。
  • ) これで確信しました。志田八段が本命です(笑)。
  • ) 分かりました(笑)。では、次に対抗をお願いします。
  • ) 対抗は寺山六段です。寺ちゃんは志田八段と同じく、NHK杯で準優勝しているんですよね。やはり、早碁が得意であること、若くて体力があることを考慮すると、かなり有力と言わざるを得ません。
  • ) ちなみに私は蘇九段を推しました。とにかく強いし、安定感がある。たぶん29日の午後4時頃には五代が私に頭を下げているんじゃないかな。
  • ) 予想対決が白熱していますね(笑)。では、最後にオススメを教えてください。
  • ) 正直迷いましたが三村九段でお願いします。三村先生は本棋戦の常連で準優勝経験者。そろそろ優勝じゃないかという予感があります。
  • ) どなたと迷われたのでしょうか。
  • ) 小県九段、大垣九段ですね。実は今まで50代の中庸は誕生していないんです。でも、今年はベテラン中庸が牙を剥く気がするんです。特にこのお三方は日々鍛錬を怠らず、溌剌としてらっしゃいます。
  • ) 三村先生にした決め手は何でしょうか。
  • ) まず、大垣先生は一昨年、初代にオススメされて優勝できなかった被害者なんです。これ以上先生を被害に合わせてはいけないかなと思いました(笑)。そして、小県先生ですが、下島陽平八段の情報によると、お酒を飲むとパワーアップされるそうで(笑)。もし対局前に全員一杯飲むルールがあれば先生が優勝だと思いますが・・・。今回は三村先生とさせていただきました。
  • ) なるほど・・・。
(アピールをする初代)
  • ) では、漢傑先生の予想もお願いします(笑)
  • ) 私は謝七段をオススメします。つい最近節目の500勝を挙げられて、充実しているんじゃないかなと。
  • ) ありがとうございました。
  • ) ちょっと、もう少し語らせてくださいよ!
  • ) わかりました(笑)。お願いします。
  • ) ちなみに、私は奥田四段と迷いました。つい先日婚約を発表されて幸せいっぱいなので。ただ、幸せはどっちに転ぶか分からないんですよね。幸せで調子が上がる場合と、幸せで満足してしまう場合と。婚約は相当幸せだと思うので、ひょっとしたら幸せ過ぎて勝負勘が鈍ってしまっているかもしれない・・・。そう思いました。
  • ) うーん、これは奥田さんある気がしてきたな(笑)。
  • ) ところで、本棋戦常連で鶴山中庸、漢傑先生と同世代の張九段や松本八段はいかがですか?たしか、松本八段は昨年「対抗」でしたが。
  • ) 気が付きましたか。実はあえて触れないようにしていたんです。
  • ) といいますと?
  • ) ちょさん(張九段)は正直、実力、実績的にかなり本命に近いですが、もし本命に挙げて外れた場合、怒られる気がするんです(笑)。まっちゃん(松本八段)は昨年漢傑に名前を挙げられて1回戦負け。彼は優しいから怒ったりはしませんでしたが、どうも注目しないであげた方がいいんじゃないかなと(笑)。つまり、この2人はのびのび実力を発揮してほしいからあえて見ないふりをしました。
  • ) やさしさでスルーしたんですね(笑)。
  • ) そういうことです(笑)。
  • ) 今年の予想は本命、志田八段、対抗、寺山六段、オススメ、三村九段ということになりましたが、最後に鶴山中庸、一言お願いします。
  • ) 誰が勝っても初優勝。脂がのったミドルエイジたちの静かなる熱き戦いは面白いこと間違いなし!10月29日(日)14時~、日本棋院で決勝戦の模様を私、鶴山と吉原由香里六段とで大盤解説します。事前予約不要で参加費も無料ですので、ぜひお気軽にお越しください。そして、私と初代、どちらが予想家としての才能があるかを、その目で確かめてください(笑)!
記・品田渓


世界一当たらない予想家こと初代中庸林漢傑八段に予想を聞き、予想の精度を上げようとする鶴山中庸。