現役名人と師匠のタッグ~芝野虎丸名人「虎丸カップ」を語る【コラム:品田渓】


 芝野虎丸名人の名前を冠した大会が11月26日(日)に日本棋院で行われる。その名も「虎丸カップ2023」。5歳から高校生までを対象にした子ども大会だ。仕掛け人は芝野名人の師匠でもある洪清泉四段。最近、碁界を盛り上げたいと新会社「GOMARU」を立ち上げた。
 現役名人とその師が主催する「虎丸カップ」、そこに込められた願いとは。井山裕太王座との死闘を制し、名人を防衛したばかりの芝野名人に聞いた。




  • ― 名人防衛おめでとうございます。
  • ○ ありがとうございます。名人として子どもたちの前に出れるので嬉しいです。
  • ― 「虎丸カップ」はどんな大会なのでしょうか。
  • ○ 入門レベルから高段者まで幅広く参加できる5歳から高校生までを対象にした子ども大会です。無差別クラスの優勝者には私との記念対局があります。
  • ― 現役名人との記念対局とは豪華ですね!
  • ○ 喜んでいただけるか分かりませんが、いい思い出になってくれたらなとは思います。
  • ― 絶対にいい思い出になりますよ!ところで、大会はどのようなきっかけで開催されることになったのでしょうか。
  • ○ 洪先生から「虎丸の名前で子ども大会を開きたい」と持ちかけられたのがきっかけです。昔から先生が囲碁普及のために頑張っている姿を見てきたので、引き受けることはまったく迷いませんでした。
  • ― 師匠思いですね。
  • ○ 私自身、自分が対局する一方で、碁を打つ人が減ってしまっていることがずっと気になっていました。とても楽しいものなので、少しでも普及に貢献したい気持ちもあります。特に子どもの頃は大会に出る経験がいい思い出として残ると思うんです。自分も小5で院生に入る前までは子ども大会に出ていて、楽しかった思い出があります。なので、自分にそういう場を提供できるなら引き受けたいなと思いました。
  • ― 私も子どもの頃に出場した大会のことは今も覚えています。そういう機会があるのは幸せなことですね。大会に参加する子どもたちにはどんなことを期待しますか?
  • ○ 大会に出場すると勝つこともあるし、負けることもあります。楽しんで欲しいですけど、負けたらそんなに楽しくないかもしれない(笑)。でも、最後まで頑張って打てば、その時はそれほどでなくても、後から振り返ってきっといい経験になると思います。なので、参加する子どもたちには最後まで頑張ってもらいたいですね。
  • ― 「虎丸カップ2023」は11月26日(日)日本棋院で行われます。多くの子どもたちにとって、忘れられないいい経験になるといいですね。本日はありがとうございました。
記・品田渓