第43期天元就位式【主催・新聞三社連合(北海道新聞、東京新聞、中日新聞、西日本新聞、神戸新聞、徳島新聞)、日本棋院、関西棋院】が、まだLG杯の激戦の余韻が残る2月13日(火)に東京都千代田区の「松本楼」で行われた。
まず、主催者を代表して北海道新聞社の五十嵐正剛東京支社長から「2度目の七冠という前人未到の記録は、技術のみならず、精神面、体力面が充実していたからだ」とたたえ、その上で「LG杯2局目は鳥肌が立つほどの素晴らしい対局だった」という解説に関わった棋士の感想を引用して、井山裕太天元の素晴らしさを称賛した。
続いて、日本棋院の團宏明理事長、関西棋院の正岡徹理事長から防衛を果たし、七冠を維持した井山天元に惜しみない賛辞を贈った。 また、記念品として陶芸家・人間国宝である加藤孝造氏(岐阜県多治見市)作の「黄瀬戸花入」が贈られた。
その後、来賓として東京棋士会会長の武宮正樹九段から「昔から井山さんのファンで、囲碁だけでなく、人間性や囲碁に対する謙虚な姿勢が素晴らしい」と賛辞を贈り「井山さんがLG杯に負けたのは、持ち時間8時間という棋聖戦の合間に、3時間の短時間のLG杯があったからではないか」と自分なりの分析も披露した。最後に「井山さんは必ずや世界一になれると信じている」と激励の言葉を贈った。
謝辞に立った井山天元は、
「一力遼八段は、二年連続の挑戦手合だが、将来を嘱望されていることは間違いなく、戦うたびにたくましくなっている。連勝はしたが一局一局は紙一重で、負けを覚悟したこともあり、大きな経験をしたと思っている。LG杯は残念だったが、この経験を次に生かし、世界を視野に頑張っていきたい」と関係者への感謝の気持ちと今後の抱負を述べた。