10連覇を目指す本因坊文裕(=井山裕太九段)に、史上最年少本因坊獲得を目指す芝野虎丸王座が挑戦する
第76期本因坊戦挑戦手合七番勝負(主催:毎日新聞社、
日本棋院、関西棋院/協賛:大和証券グループ)
第7局が7月6日(火)、7日(水)に山梨県甲府市「常磐ホテル」で打たれ、
文裕が180手までで白番中押し勝ちをおさめ、シリーズ4勝3敗でタイトルを防衛、10連覇を達成した。開幕戦に勝利のあと3連敗し、あとがなくなってからの3連勝だった。
タイトル戦10連覇は二十五世本因坊治勲(=趙治勲九段)の本因坊10連覇に並ぶ歴代1位。来期は単独1位の11連覇を目指す。
また、棋聖、名人と合わせ三冠を堅持した。芝野の最年少本因坊獲得はならなかった。
終局時刻は19時00分。持時間8時間のうち残り時間は黒番の芝野が1分、白番の文裕が26分だった。
棋士のコメント
- 本因坊文裕
- 「厳しいシリーズだった。結果が出せて非常にうれしく思う。(来期は11連覇を目指すことになるが)今期はタフなシリーズでしたし、自分のまずい部分もかなりでた。そういう中でも結果をでせたのは自分の中で大きな収穫。今期得たものを次にいかせるように精一杯頑張りたい」
- 芝野虎丸王座
- 「結果が出せなかったことは非常に残念。負けた碁はどれも内容がよくない碁になってしまった。ただ、自分としては今の実力は出せたかなと。勉強して戻ってこれたら思う。シリーズ通しては、今回負けてしまったのですけれども、途中で3回で勝てたのは自分としてもうまく打てたのかなと思う部分もあり自信にもなった。ただ、自分の弱い部分がでた碁も多かったので勉強していかないといけないと感じた」
- 二十五世本因坊治勲
- 「3連敗もそうですが、完敗も言葉に表すことのできない衝撃でした。井山さんに何があったのか?いよいよ虎が牙をむきだしたのか? そう思っていたら、短い時間の中で井山さんは完璧に自分を取り戻しました。今までは土俵中央で、盤石の勝利でしたが、俵からのうっちゃりは新しい井山さんの魅力です。 僕の10連覇は終着駅になりましたが、井山さんあなたの10連覇はただの通過駅です。次の停車駅は20連覇ですか? 」
対局については「毎日新聞」、 「日本棋院囲碁チャンネル」の映像ライブ配信 (1日目/ 2日目)、 およびネット対局「幽玄の間」等にてご覧いただけます。
また詳細・解説については「毎日新聞」の観戦記、 毎週月曜日発売の「週刊碁」、 毎月20日発売の月刊誌「碁ワールド」等にてご覧いただけます。
第76期本因坊戦挑戦手合七番勝負第7局 終局図
黒:芝野虎丸王座 白:本因坊文裕
陣容
タイトルホルダー | 本因坊文裕(棋聖・名人・本因坊) |
挑戦者 | 芝野虎丸王座 |
立会人 | 片岡聡九段 |
新聞解説 | 趙善津九段 |
記録 | 常石隆志四段、大西研也四段 |
大盤解説→中止→映像解説 | 解説:孫喆七段、聞き手:木部夏生二段 |
幽玄の間解説 | 内田修平七段 |
日本棋院囲碁チャンネル | 孫喆七段、木部夏生二段、他 |