日本、中国、韓国の代表棋士と囲碁AI代表による初の囲碁世界戦ワールド碁チャンピオンシップ(特設サイトは こちら)が3月21日に大阪市の日本棋院関西総本部で開幕した。
21日は総当たりリーグ1回戦の2局が行われた。
先に勝敗がついたのは、芈昱廷九段(中国)-DeepZenGo(囲碁AI)戦。283手まで芈がDeepZenGoに黒番中押し勝ちをおさめた。終局時間は16時30分。持時間3時間のうち残り時間は黒番の芈が5分、白番のDeepZenGoが27分だった。
それから1時間後、井山裕太九段(日本)-朴廷桓九段(韓国)戦が終局。207手まで朴が井山に黒番中押し勝ちをおさめた。終局時間は17時34分。持時間3時間のうち残り時間は両者ともに1分だった。
22日は、井山裕太九段(日本)-芈昱廷九段(中国)戦、朴廷桓九段(韓国)-DeepZenGo(囲碁AI)戦が行われる。
ワールド碁チャンピオンシップは、21日から23日まで総当りリーグ3回戦で争われ、勝数が同数の場合は24日にプレーオフ(優勝決定戦)を実施する。
※DZGはDeepZenGoの略。
局後のコメント
中国代表の芈昱廷九段のコメント
ヨセで白(DeepZenGo)が損をしているのでラッキーだった。 DeepZenGoに改善点があるとしたらそこのあたりかと思います。
DeepZenGo開発チーム代表加藤英樹氏コメント
囲碁ソフトの多くは中国ルールをベースにして作っていて、それはDeepZenGoもアルファ碁も同じ。今回の大会は日本ルールで行われるため、無理やり合わせているような格好になっている。
途中まで(白104)は、「白も悪くない展開だった」(芈九段)とのことなので、ヨセについては明日までに修正できることがあれば手を加えていきたい。
韓国代表・朴廷桓九段のコメント
上辺、特に右上の打ち方がまずく、形勢をおかしくした。右辺の折衝のあたりでは、はっきり良くなかった。(終局後すぐのインタビューの時点で)DeepZenGoの結果はまだ知りません。(ソフトの癖などを衝くのか、との質問に)いつも通り、自分の碁を打ちたい。
日本代表・井山裕太九段のコメント
序盤から中盤にかけて「悪くない」という手ごたえだったが、中盤から左辺の勝負所で難しくしてしまい、数手で形勢を損じてしまった。日本代表としての責任は感じるが、あまり肩に力が入り過ぎずに打てたとは思います。明日以降ここから盛り返せるように頑張りたい。
(写真撮影・長尾迪)
ワールド碁チャンピオンシップ1回戦
黒:芈昱廷九段 白:DeepZenGo 黒中押し勝ち
ワールド碁チャンピオンシップ1回戦
黒:朴廷桓九段 白:井山裕太九段 黒中押し勝ち
対戦表
DZG | 芈 | 朴 | 井山 | 勝敗 | |
---|---|---|---|---|---|
DeepZenGo(囲碁AI) | - | ●(3/21) | 3/22 | 3/23 | 0-1 |
芈 昱廷九段(中 国) | ○(3/21) | - | 3/23 | 3/22 | 1-0 |
朴 廷桓九段(韓 国) | 3/22 | 3/23 | - | ○(3/21) | 1-0 |
井山裕太九段(日 本) | 3/23 | 3/22 | ●(3/21) | - | 0-1 |
ワールド碁チャンピオンシップは、日本棋院ネット対局「幽玄の間」で全局解説付きでライブ中継いたします。
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