【日本棋院創立100周年記念文字詰碁「100」】出題 張栩九段


 日本棋院創立100周年を記念して作られた文字詰碁「100」です。
 黒先白死です。
 全体で一つの問題になっています。白全体を殺して下さい。例えば右側の「0」は死んだけれど真ん中の「0」は生きてしまったというのは失敗です。

ヒント
まずは一番左側の白一子の逃げ出しにどう対応するかがとっかかりになります。
張栩九段コメント
 私が文字詰碁でこだわっているのは全ての石に意味を持たせることです。正直「100」は大きな形になるので納得のいくものができるか不安がありましたが、思いのほか良い詰碁になりました。最後は100を構成する白石を全て繋げて仕留めるという、美しい仕上げになっています。100周年のお祝いに相応しい一問になったのではないでしょうか。
張 栩九段

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【正解】
 黒△が取られそうですが、まず黒1とこちらを切るのが大事な手続き。白が黒△を取りに来たら黒aと白三子を抜いて隅は三目ナカ手の形。右隣の「0」は白から打ってもナカ手が避けられない形なので死んでいます。白2なら黒3と三子を助けつつ白をアタリにして間接的に△をまもります。
【正解続】
 続いて白は左側を一旦放置して白4と右側から策動するのが最も紛らわしい抵抗。黒5の切りが肝要で、ここでうっかり黒aは白6に抜かれて失敗です。白6に黒7と白を取ることができるのが黒5の意味。白8には黒9と三子を助け、白10には黒11が眼形の急所でナカ手の白死です。
【失敗1】
 黒1とこちらを切るのは白2、黒3と換わった後、白4と抜かれます。黒は5(黒5はaやbも可)と右側の「0」の腹中の黒一子を助けるよりありません。
【失敗1続】
 続いて白6にツガれると黒7と三子を助けるよりなく、白8が眼形の急所。黒9を待って白10でぴったりセキになり失敗です。
【失敗2】
 黒1と眼を取りにいくのは左側の白一子の逃げ出しの備えになっていません。先に白2から4で黒三子を取られてしまいます。
【失敗2続】
 黒5で「0」二つは死にましたが白6で「1」の部分に生きられては失敗です。黒は前図黒3と本図黒5で切断に二手も手をかけなくてはいけないのが不本意なところです。