菊池康郎、林海峰、大竹英雄が囲碁殿堂入り(第21回囲碁殿堂表彰)


 10月23日、日本棋院において「囲碁殿堂表彰委員会」が開催され、菊池康郎(きくち やすろう)、林海峰(りんかいほう)大竹英雄(おおたけ ひでお)の3名が第21回囲碁殿堂入りとして選ばれました。
 新たに加わった加藤正人氏(脚本家)ら有識者、マスコミ関係者、日本棋院役員、棋士で構成された表彰委員会委員の内、出席された10名により、事前にノミネートされた候補者の中から投票により選出されました。
 囲碁殿堂入りを果たした3名に対しては、顕彰楯を制作し、日本棋院会館一階にて展示を行う予定です。


囲碁殿堂入り決定者の経歴と選考理由

菊池 康郎(きくち やすろう) 
1929(昭和4)年-2021(令和3)年 東京出身 アマチュア碁界の至宝
昭和23年に全日本アマチュア選手権戦神奈川大会優勝。同全国大会ベスト4。32年、全日本アマチュア本因坊戦初優勝。43年、朝日アマ囲碁十傑戦初優勝。平成4年、世界アマチュア囲碁選手権戦優勝。アマ4強の一人。プロ入りを勧められるが、民間企業に就職。昭和54年緑星学園を創設。多くの有望な子供を育成。出身のプロ棋士も青木紳一九段青木喜久代八段山下敬吾九段溝上知親九段等多数輩出。平成26年、一般社団法人全日本囲碁協会が発足、理事長となる。
林 海峰(りん かいほう)名誉天元
1942(昭和17)年- 中国上海市出身
昭和27年、呉清源九段の訪台に際して見出され、来日。28年東京本院の院生となる。30年入段。33年に藤田梧郎六段の吉田塾に入る。35年上京して東京本院へ移る。40年八段、第4期名人戦で坂田名人を4勝2敗で降し、23歳の名人誕生と騒がれる。43年には坂田栄男本因坊を破り、史上2人目の名人本因坊になる。門下に張栩九段林子淵八段林漢傑八段富紅梅初段。名人8期、本因坊5期、天元5期(名誉天元)、王座1期、十段1期、碁聖1期獲得。平成29年旭日中綬章受章。
コメント
私が殿堂入りするなんて、全く予想していなかったので、連絡を受けて大変驚きました。師匠である呉清源先生と同じく選ばれたわけですから、本当に光栄です。また昔から「竹林」と呼ばれ、良きライバルとしてしのぎを削ってきた大竹英雄碁聖と同時というのも嬉しく思います。
大竹 英雄(おおたけ ひでお)名誉碁聖
1942(昭和17)年- 福岡県出身
昭和26年、9歳で木谷實九段に入門し、昭和31年入段。早くから将来を嘱望され、24歳のときに日本棋院第一位選手権で優勝。同い年の林海峰名誉天元とともに"竹林"と並び称されるスター棋士として活躍する。平成20年から24 年には日本棋院理事長も務めた。名人4期、碁聖6連覇(通算7期、「名誉碁聖」の資格獲得)など通算タイトル獲得数48。27年旭日中綬章受章。「早碁の神様」の異名をとり、華麗な打ち回しは「大竹美学」と呼ばれる。
コメント
名誉ある殿堂表彰に名前を連ねることになり、ただただ恐縮でございます。正直申し上げますと、歴代の先輩方と名前を並べていただくのは大変恐れ多く、お受けすることに躊躇いがないわけではないのですが、このあと殿堂入りするであろう後輩達が受けにくくなるかもしれませんので、謹んでお受けさせていただきます。尊敬する林(海鋒名誉天元)さん、故・菊池康郎さんと一緒に殿堂入りするのは嬉しく思います。

〈参考〉過去の殿堂入り

第1回特別創設記念表彰: 徳川家康、本因坊算砂 、本因坊道策、本因坊秀策
第2回特別創設記念表彰: 本因坊丈和
第3回表彰:本因坊秀和、大倉喜七郎
第4回表彰:本因坊秀甫
第5回表彰:本因坊秀栄、本因坊秀哉
第6回表彰:瀬越憲作
第7回表彰:木谷實
第8回表彰:岩本薫
第9回表彰:安井算哲(渋川春海)、陳毅
第10回表彰:喜多文子
第11回表彰:橋本宇太郎
第12回表彰:呉清源
第13回表彰:寛蓮、井上幻庵因碩
第14回表彰:正岡子規
第15回表彰:正力松太郎
第16回表彰:坂田栄男、趙南哲
第17回表彰:藤沢秀行
第18回表彰:高川格
第19回表彰:川端康成
第20回表彰:中村道碩、牧野伸顕、加藤正夫

囲碁殿堂表彰委員会委員

藁科満治 元参議院議員
加藤正人 脚本家
谷岡一郎 大阪商業大学学長
小布施祐一 読売新聞東京本社編集局文化部部長
丸山玄則 朝日新聞社文化部長代理
鈴木泰広 毎日新聞社編集局学芸部長
堤 篤史 日本経済新聞社編集局文化部部長
本田 誠 産経新聞東京本社編集局文化部部長
今井 敬 日本棋院総裁
武宮陽光 日本棋院理事長
吉原由香里 日本棋院理事
柳時熏 東京棋士会会長
高尾紳路 日本棋院棋士九段

(2024年11月1日現在)

以上


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