特集内容
【森ビル杯第53期十段戦五番勝負第5局】
高尾紳路十段に伊田篤史八段が挑戦していた森ビル杯第53期十段戦五番勝負の最終第5局は、両者2勝2敗のあとを受けて4月22日、東京・市ヶ谷の日本棋院で行われ、217手までで伊田が黒番中押し勝ちした。この結果、シリーズの対戦成績を3勝2敗とした伊田が初の十段位を獲得した。プロになって6年0ヵ月でのタイトル獲得は最速、中部総本部所属棋士の十段獲得は伊田の兄デシ・彦坂直人九段以来、17年ぶりのことである。
【新初段シリーズ・伊藤健良新初段】
21歳、伊藤健良新初段の登場である。院生時代は夢が叶わぬまま、無念の卒業。その後、外来で挑戦を続け、4回目にして念願の棋士になった苦労人だ。「うれしいというよりホッとしました」という言葉には実感がこもっている。今回は「院生時代に何度か記録をとったことがある」という趙善津九段の胸を借りる。