【第70期本因坊戦七番勝負第3局】

４連覇を目指す井山裕太本因坊に山下敬吾九段が挑戦する第70期本因坊戦七番勝負第３局が、井山の２連勝を受けて６月３、４日、北海道札幌市「定山渓鶴雅リゾートスパ森の謌」で行われた。序盤から山下にとってはやや不本意な流れとなり、主導権を握った井山がガッチリと押し切り、142手までで白番中押し勝ちを収め、対戦成績を３―０とした。

【新初段シリーズ・牛栄子新初段】

「あこがれの林先生に打っていただいて、とても幸せでした」。本シリーズのアンカーを務める牛（にゅう）栄子新初段は局後、頬をほんのり赤く染めてつぶやいた。女流最年少棋士となる牛初段はまだ16歳になったばかり。盤側にかわいい腕時計とアクセサリーをチョコンと置いて、薄紫の水筒に入れてきたお茶を飲む仕草はあどけないが、盤上では林海峰名誉天元を相手に大いに暴れまくって勝利をモノにした。８ヶ月年上の藤沢里菜女流本因坊に、同世代の強敵出現の予感だ。