一力の連覇か? 芝野の初天元獲得か? 天元戦五番勝負をリアルタイム中継

対局者プロフィール

一力 遼天元 (イチリキ リョウ)
生年月日
平成9年(1997年)6月10日生
入段
平成22年夏季入段(平成23年度採用)
所属
日本棋院東京本院
略歴
 1997年生まれ、仙台市出身。宋光復九段門下。2010年夏季入段。16、17年の挑戦を経て20年、第46期天元戦でタイトル獲得。昨年、3期ぶりに天元を奪還した。24年9月、第10回応氏杯世界選手権で優勝。タイトル数は25。日本棋院東京本院所属。
一力遼天元・意気込み
 芝野虎丸名人は、手厚い碁を打ち、碁盤の中央に対する感覚に個性を感じます。盤面をコントロールする能力の高い棋士。今年はタイトル戦に数多く登場していますし、名人戦七番勝負で対戦中で、大変な相手だなという印象です。
 初めて挑戦した七大タイトル戦が、2016年の天元戦五番勝負でした。思い出深く、自分にとっては大切なタイトル戦です。
 応氏杯の優勝によって囲碁への関心が高まった中で、天元戦を迎えることができうれしく思います。タイトル戦が打たれることの少ない地方での対局もあるので、天元戦を通して、タイトル戦の臨場感や棋士の魅力を広められたら、この上ない喜びです。
 過密日程の中ですが、目の前の対局を集中して打つことができており、充足感があります。結果を出すことは大切ですが、見ている人が感動してくれるような戦いができればうれしい。その上で、結果がついてくれば一番いいと思っています。
 五番勝負では、布石から作戦を練っていきます。私の碁は、基本的に手厚い形を好む傾向にあります。最近は中盤で勝機をつかむ碁が多いので、中盤の折衝に注目してください。大きな舞台で戦えることを楽しみながら、目の前の一局一局に全力で臨みます。


芝野 虎丸名人 (シバノ トラマル)
生年月日
平成11年(1999年)11月9日生
入段
平成26年夏季入段(平成27年度採用)
所属
日本棋院東京本院
略歴
 1999年生まれ、相模原市出身。2014年夏季入段。19年、19歳11カ月で名人を奪取。史上初の10代名人となり、七大タイトル獲得の最年少記録も塗り替えた。同年に王座も奪取し、20年の十段獲得で三冠を達成。タイトル数は11。日本棋院東京本院所属。
芝野 虎丸名人・意気込み
 一力遼天元とは、名人戦七番勝負と並行して戦うことになります。天元戦は初挑戦で、王座戦にも挑戦することが決まり、三つのタイトル戦が重なることになりました。これだけ過密なスケジュールで戦うのは初めてなので、どうなるか想像はつかないのですが、心配はしていません。
 一力天元は、どんな碁でも打てるタイプ。厳しく踏み込んでくることが多い印象で、何もせず引き下がったら簡単に負けてしまいます。応氏杯の決勝でも、耐えて逆転という内容がありました。簡単に崩れることのない棋士です。
 私は布石が苦手なのですが、ヨミを必要とする中終盤は、ある程度の自信を持っています。どのような状況でも、ぶれずに変わらない気持ちで打てるのは強みかなと思っています。
 一力天元の国際棋戦優勝のインパクトは大きく、実力は相手の方が上だと思います。でも、勝負になれば結果はわかりません。一力天元との対戦では、時間が短いほど激しくなる傾向にあります。持ち時間が3時間の天元戦では、穏やかな展開になることが想像できません。  天元戦でうらやましいと思っていたのが、まだ行ったことのない北海道での対局でした。他にも日本全国に行けるので、とても楽しみにしています。


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