11月2、3日に行われる第7回SGW杯中庸戦を前に中庸戦を徹底解説。第2部では本戦リーグの見どころを語ります。
本戦出場棋士
つる = 鶴山淳志八段
りん = 林漢傑八段
しな = 品田渓(ライター)
- しな さて、ここからは本戦メンバーを見ながら、見どころを解説していただきたいと思います。つる先生よろしくお願いします。
- つる はい、任せてください。
(扉を開けてりん登場)
- りん ちわーす!
- つる あれ?何しにきたんですか?
- りん ヒドイ。予想しにきたんでしょうが!
- つる えっと、予想を外しすぎてクビになった方ですよね。
- りん だから、封じ予想で参加することになったんでしょうが!!
- しな そうでした。つる先生が「あまりにも外れるからりんは単なる当たらない予想家じゃないかもしれない。これが『カンケツの呪い』だったら迷惑をかけてしまうから、呪いが外にでないように封筒に入れて、結果が出てから開けよう」と言っていました。
- つる そうだった(笑)。
- しな 封じ予想までにはまだ時間があるので、ぜひ混ざってください。
(りん着席)
- つる メンバー見てどう思った?
- りん 濃いね。すごく中庸戦っぽいメンバー。40代が多いのかな。
- つる 50代では中小野田先生と大垣先生、それに高橋先生か。高橋先生は今回が初出場だね。よく治勲先生のところにいらしてたから教わったな。とても静かで優しい先生だった。
- りん 実は下島先生、しゅとさん(首藤八段)、拓自先生も初出場なんだね。
- つる えっ、そうなの!?実力者だし、常連かと思ってた。
- りん わかる。でもそれだけ予選抜けるのが大変ってことだよね。そしてついに恐れていた2人が!
- つる 富士田くん(32歳)とウニくん(33歳)ね。みんなで必死に2人の本戦入りを阻んでいたけど、ついに予選を抜けてきたか。
- しな そんなに怖い存在なんですか。
- りん なんだかんだ言っても中庸入りしたての30代って強いからね。一般的に20代から30代前半が打ち盛りと言われてるし、体力もあるし。
- しな でも、出場者を見ると大半が40歳以上です。若い方が強いなら、30代ばかりになってしまいそうにも思いますが。
- つる そう。それがこの中庸戦が一筋縄ではいかないところ。40代50代にも手強い人は大勢いて、層がものすごく厚い。だから30代で実力があっても予選を抜けられるとは限らない。
- りん あと、大事なのは中庸の精神だね。いかにも中庸の精神がありそうな寺ちゃん(寺山六段)はウニくんと同じ年だけど、もう3回目の本戦入りだから。
- つる それは言えてる(笑)。
- しな すみません、基本的な質問になってしまうのですが、中庸の精神とはなんでしょうか?
- つる ちょうど良く枯れてるというか、落ち着いているというか。
- りん 世の中が分かってきて、自分の立ち位置みたいなものも分かってきて、できることをできる範囲で頑張ろうと思う、みたいな?
- しな なるほど、わかるような気がします。私も30歳を過ぎたくらいから妙に肩の力が抜けて、ギラギラしなくなりました。
- りん それです!中庸の精神!
- つる 不思議とまだ若者感を残している人は中庸戦では結果を出せないよね。裏を返せば予選を抜けた富士田くん、ウニくんはこの数年で精神的にも若者から中庸になったのかもしれない。
- しな 他に注目している方はいますか?
- りん 秋山先生と安斎くんかな。この2人は中庸戦の常連で安定感が抜群。でも、うーん。意外としゅとさんあたりがポンポンと勝つような気もするし...。見れば見るほどみんな優勝しそうに見えてくる。
- つる 私は(金)秀俊さんとまっちゃん(松本八段)かな。同門だし、頑張ってほしい。
- りん それを言ったら私だって子淵先生はギャグの師匠だし、モッチー(望月八段)や大場くんは友達だし、応援したい人はいっぱいいる。それに本当に全員にチャンスがあると思う。
- しな 実力が拮抗してるのですね。ではそろそろ予想に移りましょう。と、その前にりん先生、別室にどうぞ。
- りん はあ、ついに来てしまったか。
- つる はい、じゃあ、あとで私が「封じてください」って言いに行くから。頑張って!
- りん 仕方ない。1人でじっくり考えてきます!
(退出するりん)
第3部に続く
記・品田渓
見どころを語るつる&りん
首藤瞬八段は第1回に出場し、優勝した林漢傑八段と熱いハグをかわしていました。お詫びして訂正いたします。