石の取り方

  いま、盤上に真ん中の黒石1個を置き、『この黒石を白石で囲うと黒石を取ることができる。実際に囲ってみよう』と指導者はすぐ教えようとせず、生徒自身に碁盤・碁石を使ってやらせます。すると(図01)や(図02)など生徒それぞれ色々な囲い方をしますが、どれも咎めてはいけません。
(図01)
(図02)
 次に『みんな白石を何個使った?』と質問して個数を聞き、さらに『実は白石4個で黒石を囲うことができる、やってみよう』
 すると(図03)、(図04)の囲い方ができます。
 『そう、こちらが正解だよ。みんなもこの囲いをつくってみよう』(図04)と石の逃げ道(タテとヨコの線)をふさいでしまえば取れる正解を誘導する指導を行います。
(図03)
正解(図04)

 低学年の児童には正解図をみて、何の形に見えるか聞くと「お花」「お星様」「手裏剣」「ロボット」など色々なイメージが返ってきます。各自が思ったイメージを大事にして図形感覚で記憶させます。

 この黒石1個の取り方を教えた段階ですぐ「石取りゲーム」をします。最初は相手の石を1個取ったら勝ち、慣れてきたら5個、10個と増やしていきます。
いきなりで乱暴な教え方に思われるかもしれませんが、長々説明するより効果大です。

 ゲームをやっていくうちに、二個以上の取り方とか辺・隅での石の取り方など実際にできた形をもとに自然に教えます。慣れるにしたがって着手禁止やコウの場面があらわれるので、その時教えるようにします。この時も生徒みんなで考えるような誘導的指導を行いましょう。このようにして、ほぼアタリが分かるまで石取りゲームを続けます。

『石取りゲーム』指導のポイント

  1. ゲーム開始時は「お願いします」、終了時は「ありがとうございました」と挨拶を習慣づける。(対局マナー)
  2. 磁石式9路解説用大盤を使用する。(チーム対抗の連碁は非常に効果がある)
  3. 教える側は生徒間のゲーム中に口出しをしない。
  4. ゲーム中に質問や問題が生じたら皆で考えるようにして、正解を誘導する指導を行う。

図のようなキリチガイをつくってから石取りゲームを始める指導者もいます。

(図05)
(図06)