対局のテクニック:終盤

中盤の戦いが終わるとお互いの地はほぼ確定となり、碁の終盤をむかえます。あとは細かい陣地の仕上げをして境界線をはっきりさせます。地の仕上げという段階を「ヨセ」といいます。

細かい陣地を争う

1図:
次に白だったらどう打ちますか。

(1図)

地の増減に関わる打ち方

2図:
左上の白地、右上の黒地はすでに囲いが完全で、あと下辺の地の完成が残っています。
白1と打って正解です。白1の手を「ハネツギ」といいます。

3図:
白1は「ダメ」で互いの地の増減には関係しない手です。
逆に黒2と打たれ白は地を減らすことになります。

(2図)
(3図)

結果の地を比べて見ると・・・。

(2図)黒地17目、白地18目で盤面白の1目勝ち。
(3図)黒地18目、白地17目で盤面黒の1目勝ちです。

このように中盤まで互角の戦いのときは、最後のヨセで勝負が決まります。
2図は第一線のハネツギですが、第二線のハネツギであればもっと大きいヨセとなります。

損な打ち方

4図:
黒地はすでに完全な形で、陣地内の白△は死に石です。終局になれば白△はこのまま取り上げます。黒地は5目、白△1目を含めて計6目の地です。

5図:
白△の死に石をわざわざ黒1と打って取った図です。
黒は自分の陣地へ自分の石を打ったため地が1目減って、計5目となります。
まったく不必要な手で損なうち方です。

(4図)
(5図)

損得なし

6図:
黒地はすでに完全な形で、地は5目です。

7図:
白1と入ってきました。白は無理な手ですが、手を抜けば黒は取られてしまうので黒2と打ち、白1を取り上げます。
この場合、白は1目取られましたが、黒も自分の陣地に石を入れていますので、プラスマイナスゼロで損得なしです。

(6図)
(7図)

不完全な陣地を見つけ守る

1図:黒石の囲いには欠陥があります。

黒石で陣地を囲ってはいますが、完全ではありません。
よく見ると、黒△の石はナナメで囲っていて白からその隙間(青×)に進入されると、黒二子がアタリとなり取られてしまいます。

このような場合、黒は隙間(青×)をツイで補強しなければいけません。

(1図)

不完全な囲いを見つける

2図:
黒の陣地は不完全です。囲いの欠陥を見つけましょう。

(2図)

3図:
囲いの欠陥は白1と打ったところです。ここに打たれたら黒三子はアタリで取られてしまいます。白1のかわりに黒がツイで補強しておけば完全な陣地となります。

(3図)

手をぬくと進入される

4図:
第一線のヨセです。白1と打ってきました。黒はどう対応しますか。

(4図)

5図:
黒2,4までが正しい打ち方です。

(5図)

もし、黒4を打たないで手をぬくことがあれば、白はそこから進入して黒の陣地を食い破ることになります。
黒4を打たなければ、黒はナナメで囲っている形です。

ナナメで囲っている形は注意です。石を補強する必要があるのか、ないのかよく調べてみましょう。